「就活ルール廃止」、学生はどう感じているか

通年選考や通年採用の流れは止まらない

では、すでに就活を経験した2019年卒(現大学4年生)は、どのように考えているのだろうか?

「就職活動を経験してみて、就職スケジュールはどうあるべきだと思いますか」という設問に対する回答のほとんどは「時期」に関するものだ。経団連の指針に関するものもかなり多い。

時期で多いのは、「現状維持」と「前倒し」だ。「遅くすべき」という意見はほとんどなく、あっても「卒業後」や「通年」という意味と混じり合っている。

現状維持のコメントはシンプルなのが特徴。「このまま」「今のまま」「現行のまま」「スケジュールに不満はない」「こんなもんです」といずれも短い。

理系・上位校は「今のままでいい」

特徴的なのは、現状維持派に理系の比率が高いことで、半数近くを占めている。文系でも上位校が多く、旧帝大クラスもかなりいる。コメントの短さ、理系と上位校が目立つことが特徴だが、就活に苦しむことなくすんなりと内定を得た学生が多いように思える。

いくら新卒採用市場が売り手市場と言っても、本物の就活エリートは少数だ。理系や旧帝大クラスはそのエリートの代表である。もちろん全員がそうとは言い切れないが。

注意したいのは「今のまま」「このまま」の意味がはっきりしないこと。たとえば次のコメントを読んでもらいたい。

「現状のままで良い。選考の6月解禁は茶番であるにも関わらず、就活本やセミナーではあたかも真実であるかのように取り上げている。この形骸化したスケジュールはもはや意味をなさないため、スケジュールとうたうことを即刻辞めるべき」(理系・上位私立大)

この学生は「現状のまま」を肯定しているが、「6月解禁は茶番」と断じている。とすると、この学生の「現状」とは、3年生のサマーインターンシップから始まり、3月や4月に実質的な選考が終了するスケジュールを指しているのかもしれない。

スケジュールの早期化を求める声も多いが、その理由はさまざまだ。「卒論や研究とかぶる」という理由から、前倒しして12月の解禁を求める声がある。

「研究に支障が出る。できればもっと早い時期に終わらせたい。たとえば学部生なら、3年生12月のスタートにするなど」(理系・上位国公立大)

「面接解禁は12月解禁が良い。(卒業論文が忙しい)」(文系・その他国公立大)

「卒論とかぶるので、もっと早くから始めてほしい」(文系・中堅私立大)

2013年卒からの数年は12月に採用広報が解禁されていたし、それ以前には12月ごろから実質的な選考がスタートしていた時期もある。ただ経団連が憲章や指針で時期を後ろ倒しにした最大の理由は「学業」の妨げになるというものだった。その結果決まった3月―6月だが、逆に学業の妨げになると訴える学生もいる。

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