プーチン大統領が北朝鮮との会談を急ぐワケ 北朝鮮とロシアが初の首脳会談開催へ
ロシアのメディアによると、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長はロシアを訪問し、ウラジーミル・プーチン大統領と会談する可能性がある。候補地に取りざたされているのはモスクワとウラジオストクだ。
実現すれば、金正恩氏とプーチン氏にとっては初の会談となる。北朝鮮とロシアの首脳会談は2011年以来。金正恩氏が今年、海外首脳と会うのは8回目となる見通しだ。
久しぶりの会談のポイントは?
では、この会談はどのようなものになるのだろうか。ポイントは次のとおりだ。
□ このところ北朝鮮外交から外されているロシア政府としては、存在感をテコ入れするきっかけとしたいもよう。北朝鮮政府にとっても、古くからの友好国であるロシアとの関係を再確認する場となるだろう。
□ 中国とロシア、北朝鮮は10月上旬に対北朝鮮制裁の見直しを求める共同声明を発表。今回の首脳会談はこれを発展させるものとなる。
□ 重要議題となりそうなのが経済協力だ。ロシアで働く北朝鮮労働者をどう維持していくかという当面の課題に加えて、朝鮮半島での経済プロジェクトにロシアはかねて関心を抱いてきた。
□ 文化面や政治面での交流拡大についても合意が交わされる可能性がある。
金正恩・プーチン会談実現に向けた調整は、2018年に入ってからの他のハイレベル外交とはやや違った展開を見せている。韓国の文在寅大統領やアメリカのドナルド・トランプ大統領との首脳会談では、会談予定が事前に発表されるか、片方が持ちかけた首脳会談の誘いは即座にもう一方の当事者によって受け入れられた。
一方、中国の習近平国家主席との3度にわたる首脳会談では、会談予定は事前に一切公表されることなく、会談の事実は会談が終わってから初めて公にされた。
だが、プーチン氏との会談については、ロシア政府はこれまで公の場で3回も開催を打診している。そして、3回目の打診にしてようやく、ロシア政府は金正恩氏による訪露の可能性に言及できるようになった。