中国の「新車市場」が直面する曲がり角の正体 00年以降初マイナス成長へ、日本車に影響も

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変調をきたす中国自動車市場では、低迷が続く韓国系・仏系メーカーに加え、米系メーカーの苦戦も目立つ。フォードとGMの中国販売台数の1~9月の前年同月比は、それぞれ43%減、3%減となった。一方、プラットフォーム共通化戦略によるコスト削減に成功した日系メーカーは、上記ライバル車の低迷が図らずも好機となり、市場シェアの拡大を果たした。

日産・トヨタ好調、ホンダ・マツダは苦戦

日産は前年同月比7%増の109万台、日系車首位を維持し、トヨタは同13%増の108万台で日産に迫る勢いを見せている。2社の好調を支えているのは、セダンとSUVの同時販売推進であるといえる。

日産の「シルフィ」とトヨタの「カローラ」は車内空間の快適さと燃費のよさが評価され、欧米系ブランド車一色であったセダン市場でそれぞれ販売台数2位、3位に躍進した。またSUV市場では、日産の「エクストレイル」と「キャシュカイ」が、外資系SUV販売台数トップ5にランクインした。

トヨタは今年、TNGA(トヨタ・ニューグローバル・アーキテクチャー)プラットフォームを採用した初の中国産SUV「C-HR」と「イゾア」を発売し、中国小型SUV市場でのシェア拡大を目論む。また、中国政府は7月、自動車輸入関税を25%から15%に引き下げる一方で、米中貿易摩擦により、米国製自動車に対する輸入関税を15%から40%に引き上げた。

こうした関税の恩恵を受け、日本から全量を輸入するトヨタの高級車ブランド、レクサスの販売台数は9月、前年同期比36%増となった。

他方、昨年の中国販売台数を過去最高の144万台としたホンダは、年初から主力のSUV「CR-V」のブレーキ液漏れによるリコール問題を抱え、1~9月の販売台数は前年同期比6.9%減となった。6月以降、セダン(アコード、シビック)、小型SUV(XR-V)の販売増加により回復傾向にあるものの、しばらくは苦戦が続くものと予想される。

また、マツダの販売台数は9月、4カ月連続で2ケタ減となり、中国事業に暗雲が立ち込めている。小型車を中心とするスズキは今年、中国市場で大型車人気が続く中、中国事業からの撤退を余儀なくされた。

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