トヨタ「15代目クラウン」に滲み出る深謀遠慮

欧州勢との競争、ユーザー高齢化への悩み

15代目モデルの新型「クラウン」は世界の高級車ブランドとの差を詰められたのか(撮影:尾形文繁)
1955年から続くトヨタ自動車の高級車「クラウン」。その15代目に当たるモデルが、今年6月26日に発売されてから4カ月が経った。
日本自動車販売協会連合会(自販連)がまとめている乗用車ブランド通称名別新車販売ランキング(軽自動車除く)で、クラウンは発売翌月の2018年7月に10位(7225台)、8月11位(5674台)、9月14位(6063台)と、当初の月間販売目標4500台を上回る好調な出足を切り、セダン離れが進む日本においても強さを見せつけている。
クラウンに限らないが、レクサスを含むトヨタの高級車を語るとき、引き合いに出されるのがメルセデス・ベンツやBMWとの比較だ。クラウンでいえば、ベンツ「Eクラス」、BMW「5シリーズ」などが同クラスといえる。新型クラウンは世界の高級車ブランドとの差を詰められたのか。今回の変身をどう評価したらいいのか。
日産『R35GT-R』は現行型をいつまで続けるか」(2018年10月14日配信)に続いて塩見智、山本シンヤ、五味康隆という東洋経済オンライン「自動車最前線」の書き手3人が、新型クラウンについて徹底的に語り合った。(司会は武政秀明・東洋経済オンライン副編集長)

15代目の新型クラウンの新たな挑戦

――この夏、15代目に生まれ変わった新型クラウンは従来あったフォーマルな「ロイヤル」とスポーティな「アスリート」という2つのタイプをなくして1本化しました。

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山本 シンヤ(以下、山本):今までのクラウンはアスリートが走りの象徴、ロイヤルはラグジュアリーの象徴というようなキャラクター分けがありました。トヨタは年配のユーザーがロイヤル、比較的若いユーザーがアスリートを選ぶと想定していたのではないかと推測します。ところが、意外とクラウンユーザーは年齢に関係なくアスリートを選んでいるケースが多いんです。

五味 康隆(以下、五味):ロイヤルは法人か官庁系の需要がかなり多いですよね。

塩見 智(以下、塩見):トヨタに限らず、自動車メーカーが車種やグレードで、それぞれ想定どおりに年齢層とか性別などのユーザーを分けられるかというと、なかなか思惑どおりにいきません。たとえば、トヨタから大胆なスタイリングで登場したクロスオーバーSUVの「C-HR」を街で見かけると、意外に年配の人が乗っていたりする。トヨタは若いユーザーが買ってくれると想定していたかもしれないけど、現実は違うんです。

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