トヨタ「15代目クラウン」に滲み出る深謀遠慮 欧州勢との競争、ユーザー高齢化への悩み
15代目の新型クラウンの新たな挑戦
――この夏、15代目に生まれ変わった新型クラウンは従来あったフォーマルな「ロイヤル」とスポーティな「アスリート」という2つのタイプをなくして1本化しました。
山本 シンヤ(以下、山本):今までのクラウンはアスリートが走りの象徴、ロイヤルはラグジュアリーの象徴というようなキャラクター分けがありました。トヨタは年配のユーザーがロイヤル、比較的若いユーザーがアスリートを選ぶと想定していたのではないかと推測します。ところが、意外とクラウンユーザーは年齢に関係なくアスリートを選んでいるケースが多いんです。
五味 康隆(以下、五味):ロイヤルは法人か官庁系の需要がかなり多いですよね。
塩見 智(以下、塩見):トヨタに限らず、自動車メーカーが車種やグレードで、それぞれ想定どおりに年齢層とか性別などのユーザーを分けられるかというと、なかなか思惑どおりにいきません。たとえば、トヨタから大胆なスタイリングで登場したクロスオーバーSUVの「C-HR」を街で見かけると、意外に年配の人が乗っていたりする。トヨタは若いユーザーが買ってくれると想定していたかもしれないけど、現実は違うんです。
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