J-REITがこれからも堅調と言える3つの理由 「金利上昇」でも投資先としてやっぱり有望
実は、金融緩和による超低金利の恩恵を受け、J-REITが調達する有利子負債コストは低下傾向にある。2018年9月末時点で、J-REIT市場全体の有利子負債の調達コストは0.71%。2017年12月末の0.76%、2016年12月末の0.83%と比べて、それぞれ5bps、12bps低下し、2010年以降は低下傾向が続いている。平均残存年数も長期化傾向が続いており、将来の金利上昇リスクにも対応していると言える。
こうした好調なファンダメンタルズや外部環境を背景に、J-REIT市場全体の1口当たり分配金は、2011年下期~2017年下期の6年間で+21%(年率+3.5%)の増配を達成してきた。また、2018年上期のJ-REIT市場全体での1口当たり分配金は、前年同期比+5%となり、その増配幅は堅調さを保っている。
このように、J-REITは高いインカムゲインが期待できることに加え、景況感の改善を背景に、分配金の増加も期待できる金融商品であり、個人投資家の資産形成に有用と言える。
東証REIT指数は2000ポイントを目指す?
ここでJ-REIT市場が創設された、2001年9月10日から2018年9月末までの約17年間における、過去のパフォーマンスを振り返ってみよう。
国内の代表的な株価指数であるTOPIXの+72%に対して、東証REIT指数は+77%と少しだけ上回る程度だが、配当込みのトータルリターンは、TOPIX(配当込み)の+132%に対して、東証REIT指数(配当込み)は+281%と、大きなパフォーマンスを残している(一部SMBC日興証券推計)。これはまさに、長期投資による「インカムゲイン」が積み上がったことで実現した高いリターンと言える。
では、東証REIT指数はこれからどう推移していくのか。小社では、強気の見解を示している。上記のように好調なファンダメンタルズや低金利環境に支えられ、同指数は2000ポイントを目指すと期待している。
ちなみに、同指数が2000ポイントに達した場合、J-REIT市場全体の想定分配金利回りは3.7%だ。2013年半ばから2015年半ばにかけて分配金利回りスプレッド(J-REITの分配金利回り-長期金利)が3%前後だったことを勘案すると、仮に長期金利が0.5%まで上昇したとしても、同水準の金利差は確保できる水準で、さらなる上昇が狙えると考える。
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