今の金融市場は1990年代後半に似ている GCIの山内英貴CEOに暴落への備えを聞く
――10月に入って世界の株式市場が大幅に下げるなど、金融市場が動揺しています。
リーマンショック以降の、中国も含む主要国政府の財政出動による経済へのてこ入れと、中央銀行の長く続いた金融緩和によって、これまでの大相場は支えられてきた。いつ終わってもおかしくない。大きなバブルが醸成されており、潜在的に崩壊のリスクがあるのは間違いない。
2015年夏の人民元切り下げによるチャイナショックでその兆候が出たが、中国が厳格な管理を強引に行って、結果的にうまく抑え込んだ。しかし、問題を先送りしただけだ。
何を買っても儲かった「黄金時代」の終わり
これまでは運用の黄金時代が続いてきた。
1992年~2018年8月末までアメリカでドルを持っている投資家が、アメリカ株3:アメリカ債券7、あるいはアメリカ株7:アメリカ債券3というポートフォリオでパッシブな運用を維持したときに、どのような運用実績を上げられたのかを試算してみた。
どちらも上昇しているが、特筆すべきは、リーマン以降だ。
シャープレシオを見ると、債券中心のほうでリーマン前が0.52に対し、リーマン後が1.24と、リスクに対するリターンが2.5倍になっている。株中心だとリーマン前が0.23で、リーマン後が1.02の4.4倍。リーマン以降の10年間はボラティリティ(変動率)も低く、非常に安定していて、株、債券、そのほかのリスク資産、何を買っても持ち続ければ儲かった。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら