J-REITがこれからも堅調と言える3つの理由 「金利上昇」でも投資先としてやっぱり有望
不動産価格、とりわけREIT(不動産投資信託)の価格は今後どうなるだろうか。結論から言えば景気に左右される企業のオフィス需要は、都心部を中心に旺盛だ。実際、オフィスビル、賃貸住宅、商業施設、ホテル、物流施設、駐車場などの不動産が組み込まれるREITは、ここ数年で手堅いリターンを出し続けている。2018年9月末の東証REIT指数は1777.18ポイントで、2017年12月末(1662.92ポイント)との比較で6.9%、配当込みのトータルリターンでは10.2%上昇した。
オフィス賃料の上昇など、J-REIT(日本版REIT)を取り巻く状況は好調そのもので、低い長期金利を背景に高いパフォーマンスを維持している。現状は好調なJ-REITだが、はたして今後、金利上昇局面などが訪れても、その好調さは保たれるのだろうか。
なぜREITは「高利回り」なのか
金融商品としてのJ-REITの魅力は、安定した収益による高い分配金利回りにある。J-REITは保有する不動産から得られる賃料収入を主な収益源とし、利益の90%超を分配することで、実質的に法人税が免除されている。2018年9月末時点のJ-REIT市場全体における平均分配金利回りは4.2%で、長期金利に対する分配金利回りのスプレッド(金利差)は4.0%だった。このように、収益の裏付けがしっかりとした資産で運営され、同じ水準の利回りが期待できる国内金融商品はほかに見当たらず、それだけ希少価値が高い。
加えて、J-REITは東京都心部のオフィスなど、立地や質に優れた不動産でポートフォリオを構築している。投資信託協会のデータによると、2018年8月末時点でJ-REITが保有する全物件の平均稼働率は99.1%、オフィス部分だけでも同様に99.1%とほぼフル稼働状態にある。好調な賃貸市況を背景に稼働率は高水準なうえ、オフィスや賃貸マンションを中心に賃料単価も上昇傾向にあるため、J-REITが保有する物件の収益性は向上し続けている。物流施設や商業施設など、ほかのタイプに関しても長期契約の特徴を生かし、安定した賃料収入を確保している。
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