新型「ラングラー」でジープファン激増なるか 昨年は1万台超え達成、今年は1万2000台狙う

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――日本市場での今後の戦略を教えてください。 

FCAジャパンのポンタス・ヘグストロム社長はジープの日本での販売拡大に強い自信を示す(撮影:今祥雄)

2008年に日本社長に就任し、2009年から「グロージープ(Grow Jeep)戦略」を実行中だ。この3年で、販売店舗数を30%増やしたり、店舗のリニューアルを進めたりしたほか、キャンプやアウトドアに最適のオフロードカーブランドというイメージの訴求に努めた。30代後半という若いファミリー層に支えられている。

戦略を始めた当初から販売台数は10倍になり、昨年初めて1万台の大台を突破した。これはわれわれの長年の目標だったので、非常に誇りに思っている。

――ジープの世界販売は昨年約139万台で、そのうち日本市場は1%弱です。この先、どのように伸ばしますか?

ジープの世界販売全体で見ると確かにアメリカや中国が強く、日本は数%だが、来年以降はさらに日本の販売店舗数を20%増加させる。今後も日本での伸びに本社も大いに期待している。

ジープの統括責任者がFCAの新社長に

――FCAでは、今年7月にセルジオ・マルキオンネ前CEOが急逝しました。2014年にイタリアのフィアットとアメリカのクライスラーの統合を決断したカリスマ経営者亡き今、新たなFCAの方向性はどうなるのでしょうか。

ジープブランドでは昨年、「コンパス」も約5年ぶりに刷新された。FCAは世界的なSUVブームを追い風に日本市場にも攻勢をかけている(記者撮影)

マルキオンネ氏は亡くなる直前の6月1日に、5カ年計画を発表していた。この方針にのっとって進めていく。後任は、ジープの統括責任者を9年間務めてきたマイク・マンリーCEOだ。ジープの近年の成功は彼の功績だといってもいい。ただ、今はバランスを考えながら経営を進めるのが彼の仕事だ。

彼はアジア統括も4、5年務めていたため、アジアに特化した戦略が出てくる可能性もある。中国の長城汽車がジープを買収するのではという話は……。ただのうわさですよ(笑)。

森川 郁子 東洋経済 記者

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もりかわ いくこ / Ikuko Morikawa

自動車・部品メーカー担当。慶応義塾大学法学部在学中、メキシコ国立自治大学に留学。2017年、東洋経済新報社入社。趣味はドライブと都内の芝生探し、休日は鈍行列車の旅に出ている。

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