米株は反発、ナスダックは2.95%の大幅高 マイクロソフトが相場主導、ダウも401ドル高

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 10月25日、米国株式市場は反発。好決算を手掛かりにマイクロソフトが買われ、ハイテク株の上昇を主導する中、ナスダック総合は3月26日以来の大幅高となった。ニューヨークで2月撮影(2018年 ロイター/Brendan McDermid)

[25日 ロイター] - 米国株式市場は反発。好決算を手掛かりにマイクロソフトが買われ、ハイテク株の上昇を主導する中、ナスダック総合は3月26日以来の大幅高となった。前日の急落で安値拾いの買いが入った。ナスダックは前日、調整局面入りが確認され、2011年以来の大幅な下落率を記録していた。

前日に年初来マイナスとなったダウとS&Pはプラスに転じた。

売上高と利益が予想を上回ったマイクロソフト<MSFT.O>は5.8%急伸。半導体株も上昇し、テクノロジー株<.SPLRCT>は2.89%高となった。

スレートストーン・ウェルスの首席投資ストラテジストでシニアポートフォリオマネジャーのロバート・パブリック氏は「売られ過ぎによる反発だ。決算が支援した」と指摘。その上で「これをうのみにして、決算が市場を好転させたと考えることはできない。現在、特に上向きの市場の動きに対しては多くの人が疑念を抱いている」と語った。

同氏はまた、市場が上昇した日の出来高が下落した日の出来高を下回っていることに言及。最近の下落局面が終わっていない可能性を示していると指摘した。

米取引所の合算出来高は約92億株。急落した前日は約96億株。10月11日の急落時は114億4000万株だった。

 

決算では自動車大手フォード・モーター<F.N>、クレジットカード大手ビザ<V.N>、家電大手ワールプール<WHR.N>、ツイッター<TWTR.N>などさまざまなセクターの企業が好調な内容を発表、安心買いを誘った。決算シーズンは低調なスタートとなり、製造業や半導体メーカーからのさえない見通しに市場は圧迫されていた。

関税の影響やコスト上昇、債券利回りの上昇、イタリア予算を巡る問題、米中間選挙などへの懸念からも市場は売り込まれてきた。

しかし、これによって同時に割安感も出ている。リフィニティブのデータによると、S&P総合500種採用企業のバリュエーションは、今後12カ月間の予想利益をベースにした株価収益率が15.8倍から、2年半ぶりの低水準となる15.3倍に低下した。

リフィニティブのI/B/E/Sデータによると、S&P採用企業の好決算を背景に、第3・四半期の米企業増益率予想は過去10日間に21.8%から23.6%に上向いた。ただ、第4・四半期についてはさえない見通しを受け19.9%から19.4%に低下した。

フォードは9.9%急伸。決算発表を受け、第4・四半期が堅調になるとの期待が高まった。同社株は一般消費財セクター<.SPLRCD>の上げをけん引した。

さえない見通しを示した半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)<AMD.O>は15.4%の大幅安となった。

一方、好決算を発表した同業のザイリンクス<XLNX.O>は15%急伸し、フィラデルフィア半導体指数<.SOX>は2.3%上昇した。

引け後の時間外取引では、アマゾン・ドット・コム<AMZN.O>とアルファベット<GOOGL.O>が決算を受けて急落した。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.35対1の比率で上回った。ナスダックでも2.43対1で値上がり銘柄数が多かった。

S&P総合500種構成銘柄では、1銘柄が52週高値を更新、37銘柄が新安値を付けた。ナスダック総合構成銘柄では15銘柄が新高値を更新し、225銘柄が新安値を付けた。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 24984.55 +401.13 +1.63 24736.5 25104. 24645. <.DJI>

4 29 56

前営業日終値 24583.42

ナスダック総合 7318.34 +209.94 +2.95 7197.49 7364.8 7178.5 <.IXIC>

2 4

前営業日終値 7108.40

S&P総合500種 2705.57 +49.47 +1.86 2674.88 2722.7 2667.8 <.SPX>

0 4

前営業日終値 2656.10

ダウ輸送株20種 10091.81 +186.68 +1.88 <.DJT>

ダウ公共株15種 742.37 -11.28 -1.50 <.DJU>

フィラデルフィア半導体 1173.21 +26.80 +2.34 <.SOX>

VIX指数 24.22 -1.01 -4.00 <.VIX>

S&P一般消費財 851.45 +28.06 +3.41 <.SPLRCD>

S&P素材 320.13 +4.35 +1.38 <.SPLRCM>

S&P工業 586.71 +4.29 +0.74 <.SPLRCI>

S&P主要消費財 564.13 +1.15 +0.20 <.SPLRCS>

S&P金融 425.10 +6.85 +1.64 <.SPSY>

S&P不動産199.94 +2.40 +1.22 <.SPLRCRE

C>

S&Pエネルギー 496.47 +5.64 +1.15 <.SPNY>

S&Pヘルスケア 1022.71 +12.50 +1.24 <.SPXHC>

S&P通信サービス 150.16 +3.90 +2.67 <.SPLRCL>

S&P情報技術 1218.14 +39.17 +3.32 <.SPLRCT>

S&P公益事業 275.78 -4.19 -1.50 <.SPLRCU>

NYSE出来高 11.15億株 <.AD.N>

シカゴ日経先物12月限 ドル建て 21590 + 320 大阪比 <0#NK:>

シカゴ日経先物12月限 円建て 21565 + 295 大阪比 <0#NIY:>

 

 

(ロイターデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります)

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