ホリエモンが、今どうしても伝えたいこと

堀江貴文氏インタビュー(上)

本で伝えたいことを作って売るプロセスでも実践

――100万人に希望を届けるために、全国の書店を回って営業しているそうですね。

堀江:店長さんたちに「お願いします」とあいさつして回っています。やるべきことがあって、やるための時間があるのだったら、全力を尽くさなければいけない。僕は常々、一緒に働いている人たちに「手を抜くな」と言っています。そのために、ものすごく努力をしなければいけないかもしれないですが、やらないで失敗するのは嫌じゃないですか。この本で僕が伝えたいことは、実はこの本を作って売るプロセスでも実践しています。

――全国の書店を行脚して、印象的なことはありましたか。

堀江:「堀江さんの本は売れるから、あんまり販促してこなかった」と言われたのが、ちょっとショックでしたね(笑)。みんな発売直後にネットで見て、本屋さんで指名買いするらしいのです。僕はアマゾンで買うと思い込んでいたのですが、宅配する時間に家にいなくて受け取るのが面倒だから、本は本屋さんで買うという人が多い。よく考えたら、ほとんどの人は通勤通学をしているわけで、途中、どこかに本屋さんがありますよね。そこが盲点でした。

――今回、堀江さんの考えを伝えるメディアとして本を選んだのは、理由があるのですか。

堀江:ツイッターやブログでは伝えられないことを伝えるために、本というメディアを使いました。本の特徴は、まとまって伝えられるということと、課金しやすいことです。なぜ課金しやすいことが大事かというと、無料だとなかなか読み込んでくれないからです。まあ、買っても読まない人もいますけどね。ただ、無料の記事でこれだけボリュームのあるものは読まないですよ。

――本というメディアは、これからも生き残る可能性が高い?

堀江:今の粗製乱造しているような状況は、どうかと思いますけど。

――点数を絞って、今回のチームのような質の高いやり方であればいい。

堀江:そうすべきでしょうね。今回の本、まず装丁ができたときに僕、ちょっとブルッとしました。このホワイトな感じに。高級感を出そうと思うと、マット素材のほうが高級に見えるらしいのですが、装丁家の川名(潤)さんに相談したら、「そんなのは絶対ありえない」と言われて、こういう光沢紙になりました。もう目立ち方が違う。これは本を買って読んだほうがいいと思わせる感じの紙質ですよね。やっぱり一流の仕事をしている人って違います。

――タイトルの字は堀江さんの直筆ですか。

堀江:そうです。

――かわいい字を書かれますね。

堀江:(笑)意外とね。先日、秋元康さんにお会いして、この本をお渡ししたのですが、秋元さんからは「もっとやることがある」と言われましたけど。

――たとえば何ですか。

堀江:タイトルのひねりが足りないとか、要は見た目の話です。「堀江貴文が刑務所に入って『ゼロ』になりました」って、だいたい想像できるじゃないかって。ホリエモン的な一種のいかがわしさがまったく消えてしまうと、それはそれで面白くなくて、今までのファンが受け入れない懸念がある。昔からのファンも感動するし、新しいファンも獲得できるというギリギリのせめぎ合いで作らないといけない。もうちょっと毒を入れたほうがいいよ、という話をされました。

――ホワイトすぎると。

堀江:なるほど、そういう意見もあるのかと参考になりました。

――堀江さんとしては、いかがわしさがまったく消えてしまうのは嫌なのですか。それとも残したいのですか。

堀江:僕は僕なので、別に何も変わりません。どのように見られるかを考えるより、伝えたいメッセージを伝えるために、ひたすら努力していきたいと思います。

(構成:上田真緒、撮影:風間仁一郎)

※「ホリエモンが、もしメディアの経営者だったら」に続く

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