韓国が本当は北朝鮮の非核化を望まないワケ 彼らの頭には「南北共同の核保有」がある
ただ、ミサイル潜水艦の建造には経済力と技術力が必要だ。北朝鮮も建造に取り掛かったとみられるが、深海に長時間潜むことのできる潜水艦の開発は容易ではない。結局、ミサイル潜水艦は韓国に造らせ、提供させるのが手っとり早い。
韓国は2020年以降にミサイル潜水艦を配備予定
韓国は2020年以降、3000トン級のミサイル潜水艦を順次、配備する計画だ。1-3番艦は弾道ミサイル用の垂直発射筒を6門、4-6番艦以降は10門装備する方針だ。
潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の開発も進めており、2020年には実用化の見込みだ。水中から発射するためのコールド・ローンチ技術は、北朝鮮と同様にロシアから導入したとの報道がある。
韓国のミサイル潜水艦とSLBMの開発は、核兵器の使用が前提だろう。SLBMを含め弾道ミサイルは命中精度が低く、通常弾頭では破壊効果が薄いからだ。
核武装の下準備と韓国が認めたことはない。しかし、衣の下から鎧が見える。原子力推進型のミサイル潜水艦の保有にも動いたからだ。
原潜導入の目的について、韓国海軍は北朝鮮の核ミサイル潜水艦を沈めるため、と説明する。だが、その説明は疑わしい。対潜能力を向上したいなら原潜ではなく、水上艦艇の整備が有効だ。
原潜は通常動力型と比べ長時間潜航できる。敵の先制攻撃を避け、核ミサイルで反撃するには格好の兵器で、核武装の必要条件である。実際、原潜を持つ国はすべて核保有国だ。
核弾頭は韓国の技術力があれば、半年から数年で開発できるとみられている。北朝鮮から核で威嚇され核武装の必要に迫られた際、直ちに核ミサイルを実戦配備できるよう、あらかじめ運搬手段を確保しておくのが歴代の保守政権の腹積もりであったろう。
だが、北朝鮮との和解を唱える左派政権になっても、韓国はミサイル原潜の保有計画を捨てない。韓国各紙は「2017年8月7日、文在寅大統領はトランプ大統領との電話協議で、原子力潜水艦の保有に関し言及した」と一斉に報道した。
原潜の国産化、あるいはアメリカからの導入を認めてくれるよう、韓国の大統領がアメリカ大統領に直談判したのだ。アメリカの一部には、核武装を前提にアメリカ製原潜を日本に買わせようとの動きがある。韓国もアメリカ製の原潜がのどから手が出るほど欲しいのは間違いない。
もちろん、アメリカからは色よい反応はなかった。韓国の原潜保有は核武装が目的だとアメリカは見抜いている。左派政権が北朝鮮との核合作に利用しかねないとも疑っているだろう。
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