新型ジープ・ラングラーは一体何がスゴいか 11年ぶり刷新の硬派SUV、乗ってわかった実力

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今回フルモデルチェンジしたJL型は、よほどのラングラーファンでなければ、新旧の違いに気づかないほどのキープコンセプトで登場した。もちろんラングラーの場合、丸目2灯のヘッドランプと7スリットグリル、台形の前後オーバーフェンダー、四角四面のボディ形状は、スタイリング上の“お約束”であり、歴代どのモデルでも守られてきた(正確には一時期角目のヘッドランプのモデルが存在したが、あまり売れなかった)。今回もそれらの約束は守られ、どこからどう見てもラングラーというほかないスタイリングだ。

新型では、2ドアのラングラーも受注生産され、待てば購入できるが、カタログモデルとしては4ドアのラングラー アンリミテッドのみとなる。これ以降はラングラーと書いていてもアンリミテッドのことだと思って読んでいただきたい。

大型化した新型(写真:FCAジャパン)

新型は大型化した。全長が従来の4705mmから165mm伸びて4870mmとなったほか、ホイールベースも65mm伸びて3010mmに達した。これは従来の5速ATに代えて採用した8速ATを収めるためであり、JK型で指摘されてきた後席足元の狭さを改善するためでもある。実際、後席の足元は体感的にやや広くなった。全幅と全高はほとんど変わっていない。

無骨なイメージを壊さぬ範囲で効率アップ

見た目も変わっていないように見えるだけで、変わっていないわけではない。ラングラーの大きな魅力のひとつである四角いスタイリングを保ったまま空力性能を向上させるべく、ルーフのエッジ部分をわずかに丸めて整流効果を高めている。またよく見るとわかるのだが、空気抵抗を減じるべくフロントグリルが途中で折れ曲がり、上半分の角度が下半分に比べ寝ている。効果は限定的だろうが、歴代がもつ無骨なイメージを壊さぬ範囲で効率アップ(燃費向上)を目指したようだ。

パワートレーンは従来の3.6リッターV6エンジン(最高出力284馬力/6400rpm、最大トルク35.4kgm/4100rpm)に加え、新たに2リッター直4ターボエンジン(同272馬力/5250rpm、同40.8kgm/3000rpm)が加わった。ベーシックグレードのスポーツに2リッターターボが、上級グレードのサハラと追って発売される最上級グレードのルビコンに3.6リッターが搭載される。トランスミッションは全モデル8ATとなる。

写真左が2リッター直4ターボエンジン、写真右が3.6リッターV6エンジン(写真:FCAジャパン)

日本発売を前に、日米両国でオンロードとオフロードを試乗する機会を得た。エンジンは数値を見ると最高出力は3.6リッター、最大トルクは2リッターのほうが上回る。だがその違いは大きくない。いずれにしても、車両重量2255kgの車体を痛痒(つうよう)なく走らせるのに必要にして十分な力強さをもつ。

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