日経平均株価が円高でなくても急落したワケ

下落の要因は「為替条項」ではなかった?

 10月15日、米国の為替条項要求に日本市場は、一見奇妙な反応をみせた。写真はムニューシン米財務長官、ブエノスアイレスで7月撮影(2018年 ロイター/Marcos Brindicci)

[東京 15日 ロイター] - 米国の為替条項要求に日本市場は、一見奇妙な反応をみせた。ドル/円<JPY=>ではほとんど円高が進まなかったが、日本株は大幅安となったのだ。為替条項の実現性や有効性が疑問視され、円高懸念は強まらなかったものの、「交換条件」としての自動車などの輸出自主規制や輸入拡大に警戒感が浮上。過度な円安期待も後退し、業績拡大シナリオが陰りを見せ始めている。

為替条項合意後、カナダドルは下落

「われわれの目的は為替問題だ。今後の通商協定には(それらを)盛り込みたい。どの国ともだ。日本だけを対象にしているわけではない」──。

このムニューシン米財務長官の発言は、9月30日に合意された「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」における為替条項が、念頭にあるとみられている。しかし、その後、カナダドル<CAD=>は下落。米側が期待するドル安シナリオは、今のところ実現していない。

週明け15日の東京市場でも、米側の強い姿勢に円高警戒が強まったが、ドル/円は小幅安にとどまっている。前週末時点で112円前半だったドル円は111円後半まで下落したが、一時112円台に戻すなど、株安による影響を上回るような円高の動きは示していない。

USMCAの為替条項は「為替介入を含む競争的な通貨切り下げを自制する」とある。しかし、G7(主要7カ国)では為替介入はすでに「ご法度」。韓国やメキシコなど非G7国に対しては、こうした為替条項は有効(米国との合意後、メキシコペソ<MXN=>は上昇)だとしても、日本やカナダなどG7国に対して、どれだけ効果的かは不明だ。

「今回の発言は、一種の口先介入だろう。為替介入を行っていない日本などに対して、為替条項がドル安効果をもたらすかは疑問だ。中国などを念頭に置いた発言とみるべきで、これだけで急激な円高が進むことはないだろう」と、三井住友銀行チーフ・マーケット・エコノミストの森谷亨氏はみる。

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