これまで日本企業に関連したハラル認証といえば、主に食品産業の大企業が海外、特に東南アジアでの生産を開始する際に、現地でハラルの認証を取得するというケースがほとんどでした。この動きは、東日本大震災や近年の円高の影響が追い風となり、中小の食品企業や、化粧品・医薬品等の関連企業が海外進出の際にハラル認証もあわせて検討・取得するという、いわゆるアウトバウンドのハラル認証という形でさらに活発化しています。
日本でハラル認証を取得する時の注意点は?
ここ数年の日本国内ハラル認証取得企業には、地方の中小企業が積極的に参画する動きが見られます。アジアでの日本食ブームに対応するため、日本工場でハラル認証を取得、日本食原料・加工食品を海外のムスリム消費者向けに輸出を行っている企業が増えています。また、従来の主流であった海外のイスラム認証団体からハラル認証を受けるのではなく、国内でのハラル認証機関(拓殖大学、日本ハラール協会、九州ハラール協会等)から認証を受ける企業も増加していている点が特徴的です。
日本国内でハラル認証を取得する方法は、2種類あります。1つは、海外のハラル認証機関と相互認証された機関に申請を行う方法です。もう1つは、インドネシア等の海外認証機関に申請を行い、現地の監査員による監査を経て現地の認証マークを取得するという方法があります。ハラル認証は、世界的に統一的な基準やルールが存在しておらず、国や認証機関により制度や申請方法、更新期間等が異なるため、個別ケースごとに確認したり対応したりする必要があります。
2014年の経済社会を予測したハンドブック。
前半はマクロ経済や市場動向を解説、後半は国際情勢から産業・企業・地域社会・暮らしに至るまで、最新動向を86のキーワードで伝えます。
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森下 翠惠
三菱UFJリサーチ&コンサルティング コンサルタント
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もりした すいえ
もりした すいえ 三菱UFJリサーチ&コンサルティング コンサルティング・国際事業本部 国際本部 国際ビジネスコンサルティング室 コンサルタント 。
大学卒業後、大手通信事業者(通信サービスの販促企画)、民間産業調査会社を経て、2008年に入社。アジア諸国(主に中国、インド、ASEAN)における産業構造調査及び分析、企業ベンチマーキング調査や販売戦略コンサルティング業務に携わる。アジア市場やハラル産業を紹介したセミナー講演のほか、ハラルに関連した論文として、「東南アジアにおけるハラル市場調査」(武井泉氏と共著) 『国際金融』1226号,1228号,1130号(外国為替貿易研究会、2011年7,9,11月号掲載)ほか、執筆多数。
武井 泉
三菱UFJリサーチ&コンサルティング 副主任研究員
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たけい いずみ
三菱UFJリサーチ&コンサルティング コンサルティング・国際事業本部 国際本部 国際研究部 副主任研究員。
大学院終了後、独立行政法人研究所、タイチュラロンコン大学客員研究員等を経て、2007年に入社。専門は、ODA・国際協力分野における援助政策、経済・社会政策。特に官公庁を中心としたアジア諸国やアフリカにおける農業・農村開発、食料安全保障、社会保障政策等の調査業務の経験を有する。ハラルに関連した論文として、「東南アジアにおけるハラル市場調査」(森下翠惠氏と共著) 『国際金融』1226号,1228号,1130号(外国為替貿易研究会、2011年7,9,11月号掲載)他、アジア諸国の経済・社会開発関連の執筆実績多数。
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