「ホテル空白地帯」渋谷は東急開業で変わるか 潜在力は高いが、「ピント外れ」が3点ある
渋谷駅周辺で東急電鉄が中心となって進める渋谷駅周辺再開発プロジェクトのうち、東横線地下化後の旧地上ホーム跡地などを利用した「渋谷ストリーム」が9月13日に開業した。
注目の渋谷エリアで新規ホテルがオープン
渋谷ストリームといえば、2019年のグーグル日本法人の本社移転が話題になりがちだが、筆者は「ホテル空白地帯」ともいえる渋谷でのホテル新規オープンということで、「渋谷ストリームエクセルホテル東急」(以下、「ストリームエクセル」)に注目した。
運営元の東急ホテルズは、ラグジュアリークラスの「東急ホテル」、シティホテルの「エクセルホテル東急」、ビジネスホテルに該当する「東急REIホテル」の3ブランドを擁し、エクセルホテル東急ブランドでの出店は全国で9店目、渋谷ではマークシティ内にある「渋谷 エクセルホテル東急」(以下、渋谷エクセル)に次いで2店目となる。
開業当日、同ホテルに宿泊してみたが、快適なだけでなく、ユニークな取り組みも行われており宿泊それ自体を楽しめるホテルだと感じた。一方、客室数、ターゲットとする客層、ホテルフロア構成という3つの観点で“外している”と思われる部分がある。以下、この3つの観点を切り口にレポートする。
ストリームエクセルの客室数は全177室で、内訳はシングル(20㎡)が25室、ダブル(23.8~24.8㎡)が99室、ツイン(30~43㎡)が40室、デラックスルーム(46.5~49.8㎡)が13室となっている。
ダブルが多い理由について、総支配人の杉野仁美氏は「インバウンドのお客様、特に欧米系のお客様はカップルでも夫婦でもダブルをご所望されるケースが多い」という。
この177室という部屋数の適否については、渋谷全体のホテルマーケットの状況から考察する必要がある。まず、渋谷のホテルの施設数は2016年3月時点で56施設あり、台東区(76)、港区(71)、中央区(64)に次いで4位だが、部屋数は1位の港区の1万9649室の4分の1程度の4994室で、8位にとどまっている(東京都福祉保健局)。
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