「ホテル空白地帯」渋谷は東急開業で変わるか 潜在力は高いが、「ピント外れ」が3点ある
さらに、渋谷ストリームは14階から35階の上層階をオフィスフロアにし、ホテルはフロント、ロビー、バー&ダイニングを4階、客室を9階から13階にとオフィスより下層にしている。これは一般的なホテルフロア構成の定石から外れている。
このようなフロア構成にした理由については、「周囲には今後超高層ビルが建つことで、客室を上層階に設置しても眺望が望めない方角がある一方で、別の方角では中層階でも眺望を確保することができたため」(東急電鉄広報部)と説明する。
ただし、これはこれで面白く、4階のレストランの窓際に座ると、話題になっている縦軸の移動空間「アーバン・コア」を行き交う人々の息づかいや渋谷の街の鼓動が聞こえてくるようで窓外の景色を眺めていても飽きない。インバウンドの観光客の中には、建ち並ぶ雑居ビルが「渋谷らしくクールだ」という人もいるそうだ。
各客室フロアに設けられたユニークな取り組みも
さて、ストリームエクセルは3つの観点で“外している”ものの、落ち着いて泊まるにはとてもいいホテルだと思う。177室という部屋数は渋谷全体を考えると首を傾げたくなるものの、きめ細やかなサービスが行き届きやすく、ユニークでチャレンジングな取り組みも行いやすい規模感なのだろう。
実際に泊まってみると快適なだけでなく、なかなか面白いホテルだということがわかった。ユニークな取り組みの代表例が9階から13階の各客室フロアのエレベーターそばに設置されている「マイスタールーム」だ。フロアごとにフード、スタイルケア、シューケア、アクティブ、ドリンクというテーマが設定されている。
10階のシューケアのマイスタールームでは、火水木の午後のみとなるが、プロの靴磨きの職人に無料で靴の手入れをしてもらうことができる。「オシャレは足元から」ということで、普段、自分ではなかなか行き届かない靴の手入れをしてもらうと、不思議と気分もシャキッとする。
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