「ホテル空白地帯」渋谷は東急開業で変わるか 潜在力は高いが、「ピント外れ」が3点ある

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

また、13階のフードマイスタールームにはバルミューダ製のオーブンレンジ・スチームトースターなどの調理器具、11階のスタイルケアマイスタールームにはスチームの力で除菌・防臭・シワ取りを行うホームクリーニング機「LG Styler」などが設置されており、話題の商品を試しに使ってみたいという欲求を満たしてくれる。

デリバリーロボットの「リレイ」も、品川プリンスのNタワーにはすでに導入されているものの、まだまだもの珍しく感じる。エレベーターも自動操作して客室まで物を届けてくれるデリバリーロボットは、「まずは、お客様のご要望に応じて貸出備品やクラフトビールとトリュフ味のポテトチップスをデリバリーすることから開始し、将来的にはお祝い事の際に花やケーキを運ぶなど、さまざまな用途での利用が考えられる」(東急ホテルズ企画宣伝担当の天野槙子氏)という。

渋谷の街を盛り上げていくための今後の課題とは?

渋谷駅側からのエスカレーターが4階につながっていないなど、フロントのある4階までの動線が非常にわかりづらい点は今後の課題となりそうだ。渋谷駅の乗り換え動線がわかりづらいという反省が、新施設に生かされていないのではないか。

また、これはストリームエクセルに限った話ではないが、夜の渋谷をどう盛り上げていくのかも課題となりそうだ。渋谷区観光協会と新宿観光振興協会は、2019年1月から、夜間も飲食や娯楽を楽しめる「ナイトタイムエコノミー」で連携する。具体的には渋谷・新宿の加盟店で利用できる共通バウチャー(利用券)を発行し、外国人観光客が安心して楽しめるようにする。

現状、ストリームエクセルはダイニングが23時まで、バーが24時までの営業だが、都内を見ると、品川プリンスホテルなどがバーを明け方まで営業するなど「ナイトタイムエコノミー」促進に力を入れている。ナイトライフを楽しみたいというインバウンド客の要望は大きく、街の環境の健全さ保持とのバランスを取りながら調整していく必要がある。

森川 天喜 旅行・鉄道作家、ジャーナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

もりかわ あき / Aki Morikawa

現在、神奈川県観光協会理事、鎌倉ペンクラブ会員。旅行、鉄道、ホテル、都市開発など幅広いジャンルの取材記事を雑誌、オンライン問わず寄稿。メディア出演、連載多数。近著に『湘南モノレール50年の軌跡』(2023年5月 神奈川新聞社刊)、『かながわ鉄道廃線紀行』(2024年10月 神奈川新聞社刊)など

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事