台湾で「名古屋めし」が人気化した根本理由 名古屋と何が同じで何が違うのか
豚肉やキャベツなどの食材は現地調達だが、味の要となるみそだれとソース、カレー、パン粉は日本から送っているそうなので、日本の味とほとんど変わらない。調理技術においても、3~4カ月間はみっちりと研修しているうえに、日本国内で店舗が新規オープンする際にも来日して研修を行っているので、今では安心して任せられるという。
「ひれとんかつ定食」(320元=約1220円)を食べたところ、コクのあるみそとサクサクの衣、やわらかいひれ肉との絶妙なマッチングは名古屋で食べた味そのまま。
会計時、私が日本人であるとわかった店員さんは、片言の日本語で味の感想を求めてきた。「とてもおいしかったですよ」と言うと、とても満面の笑みに。深々とお辞儀をして店を送り出してくれた。
台湾への出店は、のれん分けのようなもの
3年前、MRT(台湾の地下鉄)中山駅の近くにオープンした「ソロピッツァ ナポレターナ 台北店」は、名古屋・大須に本店があるピッツェリア。
ナポリピッツァ職人世界選手権で優勝したオーナーの牧島昭成さんの下にはナポリピッツァ職人を志す若いスタッフが沢山いる。台北店を任されている“パシュクアーレ ホワイト”こと陳柏壬さんもその一人だ。牧島さんはこう振り返る。
「彼は『台湾で本物のナポリピッツァを広めたい!』というパッションを持っていましたね。まじめに修業をしていましたから、台湾で店を持たせてやりたいと。実際、オープンした翌年には彼も世界チャンピオンになりました。台湾への出店は、会社の経営戦略ではなく、いわば、のれん分けのようなものです」
注文したのは、牧島さん直伝の「マルゲリータ エクストラ」(273元=約1040円)。香ばしく焼き上げた生地とトマトソースの酸味、水牛のモッツァレラのミルキーな風味が一体となって広がります。大須で初めて食べたときの感動がよみがえってた。
余韻に浸っていると、陳さんがわざわざあいさつに来てくれた。何でも、台北ではアメリカのピザが主流で、ナポリピッツァはまだ知る人ぞ知る存在らしい。現在、台北市内にピッツェリアは5軒ほどあるそうだが、「ウチガイチバン!」と、自信たっぷりに語る陳さんが頼もしく見えた。
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