「大卒熟年専業主婦」の上手な離婚の仕方 お金も知識も生かして新たな人生の一歩を

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離婚に伴って持ち家を売ることになった場合、通常、住宅ローンは一括返済する必要があります。頭金が少なく、多額の借り入れをしている場合は、ローン残高を売却価格が下回り、足が出てしまうこともありますので、「借入金額は慎重に」が原則です。もし完済できない場合は「離婚をしても相手と同じ場所に住み続ける」などといった苦痛を伴う現実も想定しなくてはいけません。

では、前出の藤原さん、大竹さんのケースを見てみましょう。2人はともに数年前から夫とは別居しているものの、首都圏の豪邸に住んでいます。高級住宅街の一軒家で、最寄駅から車で10~15分程の場所にあります。2人とも「セレブ妻」としての暮らしなら問題はありませんが、もし仕事をすることにして通勤するとなると、少々不便な場所です。

藤原さんは離婚後もそこに住み続け、住宅ローンの残金は夫が払い続けることになりました。一方、大竹さんは家をもらうか、現金をもらうかを選択することになっています。

「家」か「現金」か、なら「現金」を選ぶ

ここで考えたいポイントですが、大竹さんのように「家か現金か」という選択肢が提示されたら、ほとんどの場合「現金」をお勧めします。実は大竹さんは、愛着のあるわが家を希望していました。確かに「家があればなんとかなる」と思う人は多いでしょう。でも、以下のような4つの点を考えてみてください。

まず1番目は、一定以上の広さになると、いずれ子供が成人して家を出ていった場合、1人で住むには広すぎます。寂しさが身にしみるでしょうし、メンテナンスや維持費にもお金がかかり続けることになります。

2番目は、歳をとって車の運転ができなくなったとき、不便を感じて駅近のもっとコンパクトな住まいに住み替えたくなることを想定します。その時は賃貸に出すには、家賃が高額にならざるをえない物件は難しいということです。

3番目は、仮に30年後、歳をとって1人で暮らしていけなくなり、施設に入居するとなった場合、すんなり売却できるかどうかという問題です。

そして4番目。もし家を持ち続けたとしても、子供たちが相続する場合、家の分割は難しいし、代償分割(一部の相続人に財産を与え、他の相続人に金銭を支払う)、換価分割(家を売却し金銭で分割する)、共有分割(相続人で持ち分を定めて分配する)のいずれも、デメリットやリスクがあり、それをクリアしなければなりません。

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