「大卒熟年専業主婦」の上手な離婚の仕方 お金も知識も生かして新たな人生の一歩を

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住み慣れたわが家を出ることになると、もちろん大変ですが、専業主婦の大竹さんは傷ついた心を奮い立たせ、「先々のことまで考えると、やはり自由に使える現金を手に入れたほうがいい」という結論を出しました。

一方のパートで離婚相手が病院経営だった藤原さんは家を贈与され、広い家での1人暮らしを選択しました。大学生である2人の子供さんは、すでに家を出ていってしまっているので、将来的には家を売って駅近のマンションを購入したいと考えていますが、すぐマンションを購入すると、その家が終の住処になるかどうかはわかりません。確かに今後の物件価格の下落も考えられますし、2度も家を売るのは大変です。「まだ車の運転ができる間は、今の暮らしを続けるほうがいい」と結論づけました。

「おひとりさま人生」を考える

次に考えたい2つ目のポイントは、人生への取り組み方の問題です。バリバリ仕事をしていれば別ですが、そうでなければ、離婚は今後の「おひとりさま人生」を考える転機となります。

実は、藤原さんは数年前に夫婦仲が悪くなり始めた頃から「いつかこういう日が来るかもしれない」と準備を始めていたそうです。若い時のフランス留学経験を生かし、フランス語の翻訳の仕事に携わりたいと、勉強も兼ねて翻訳の会社にパートに行っていました。そして離婚後は、晴れてフルタイムで働くことに。彼女にとって、離婚は「第2の人生の幕開け」となったわけです。準備をしてきたからこその展開でしょう。

一方、大竹さんはというと、これといってやりたいことも、できそうなこともないと意気消沈しています。これまではセレブ妻を絵に描いた生活でした。高級スポーツクラブにエステ、お友達とのぜいたくランチなどで日々を過ごし、ある意味、お金を使うことが日常生活だったそうです。

しかしたとえ、お金の心配がすごくあるわけではないとしても、人生に寂しさも感じ始めたと言います。今はまだ子供さんも同居していて、母親としてやることもありますが、いつかはその役目も終わってしまいます。少しずつでも、社会の中で活躍できる何かを見つけていきたいと、遅ればせながら、自分探しの旅が始まったというわけです。

お2人とも、もう十分に若くはないけれど、残りの人生の再スタートを切れるくらいには若いわけですから、頑張らなくてはいけません。これまで主婦として頑張ってきたことは経験として財産ですし、幸いにも管理さえ間違わなければ、安心して暮らせるだけのお金もあります。最初からフルで頑張らなくても、一歩を踏み出すことが大切でしょう。

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