日本は大坂なおみの二重国籍を認めるべきだ パックン「さもないと米国籍を選択するはず」

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ちょっと待って! やり方はあるかもしれない!

今のうちに二重国籍を認めるっていうのはどうですか?

そう。これが本題。お待たせしました! もちろん、大坂選手のために特例を作ってもいいが、せっかくだからもっと広範囲な国籍法の改正を考えてみよう。

各国は高度なスキルを持つ労働者を誘致

そもそもイギリス、フランス、アメリカなど、西洋の国のほとんどは二重国籍を昔から認めている。さらに、この数十年でその数がどんどん増えている。メキシコ、イタリア、オーストラリア、ハンガリー、ブラジルなど、十数もの国々が90年代以来、二重国籍を容認するようになった。アジアにおいては、その数は昔から少ないが、2010年にお隣の韓国も法改正した。その韓国の狙いややり方は日本にとって、とても参考になるかもしれない。

韓国は日本と同じく、少子高齢化で深刻な労働不足に陥り、優秀な人材確保が急務となっている。そこで世界中に拡散している韓国系の人に目を付けた。親や祖父母、または本人が外国に移住して、外国籍をとったとき、昔の法律で韓国の国籍を放棄せざるを得なかった「元韓国人」が世界各地で活躍している。二重国籍を認めることで母国に帰ってくる人もいれば、外国にいながら、懸け橋的な存在として母国の発展に貢献する人もいるはずだ。外国籍だと韓国での経済活動などが自由にできないが、国籍さえあれば母国の力になれる範囲がぐっと広がると思われる。

日本も一緒だ。日本出身の人が世界で功績をあげていることは誰にも分かる。石黒一雄さんはノーベル文学賞を取った。中村修二さんはノーベル物理学賞を取った。オノヨーコさんはビートルズを解散させた。正確に言うと、みんな「外国人」だが、日本の誇りでもある。こんな「元日本人」は日本人のままでもよかったのではないか。同じように、有名じゃなくても各分野で一翼を担っている人々は無数にいるはず。日本を盛り上げるポテンシャルはそこに眠っているのだ。

日系じゃなくても、日本に人生をかけてくれる外国人もいる。そして、日本はそんな人を必要としているようだ。技能実習制度で働いていた人でも、政府は在留資格の対象人数を増やし、在留期間も伸ばし、更新も可能にしている。さらに2019年4月からは単純労働者を受け入れるために新しい在留資格を設けることになっている。これらの制度の下では、日本に家族を連れてきたり、永住権を取ったりすることはできないけど、おそらく、この先これも緩和されるとみる。いい人材を失いたくないからだ。

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