インスタ創業者辞任でフェイスブックに試練 「虎の子」はこれからどうなってしまうのか

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こうした中、インスタグラムに目を留めたザッカーバーグ氏は、新たな写真共有ネットワークは強力になるだろうと確信し、自らのSNSに取り込めば儲かるだろうと考えた。ザッカーバーグ氏は、シストロム氏らとの交渉を主に自分で行った。

そしてフェイスブックはついにインスタグラムを10億ドルの現金と株式で買収した(株式価値が下がったため、最終的な買収価格は7億1500万ドルほどになった)。これは、それまでのフェイスブックにおける最大の買収案件で、同社はその1カ月後に新規株式公開を行った。

「長年にわたり私たちは、利用者が友人や家族と写真を共有するための最高の経験を作ることに焦点を当ててきた。今、私たちはインスタグラムチームとより緊密に連携し、利用者の興味に基づいて人々と美しいモバイル写真を共有するための最高の体験を提供することができる」。ザッカーバーグは、この時の買収についてブログでこのように述べた。

価値は買収価格の100倍以上とも

この取引で、シストロム氏とクリーガー氏はすぐに億万長者になった。以来インスタグラムは多額の投資利益をもたらし、ブルームバーグ・インテリジェンスによれば、理論上買収価格10億ドルの100倍の価値があるとされている。

フェイスブックは、モバイル開発者向けツールParseと、バーチャルリアリティ(VR)新興事業であるオキュラスを買収し、SNSの枠を超えた新たな領域に手を広げた。このほか、ワッツアップも190億ドルで買収している。

それでもインスタグラムが、ザッカーバーグ氏の一番のサクセスストーリーだった。フェイスブックは、ライバルの写真共有ネットワークである「Snapchat(スナップチャット)」に若者が流れていくという脅威を察知していたため、インスタグラムは素早くシフトして、Snapchatの重要な機能の1つであるオンラインストーリーズを取り入れた。それ以来、インスタグラムの人気はさらに高まり、一方のスナップチャットの成長は鈍化している。

だが、シストロム氏とクリーガー氏の辞任によって、インスタグラムの今後を懸念する見方が出ている。創業者らがいなくなった後誰が会社を率いるのか、その人物がこれまで通りインスタグラムの成長を維持できるのかは不明だ。以前、インスタグラムの最高執行責任者(COO)だったマーニー・レヴィーン氏は、今月からフェイスブックでのパートナーシップ業務に集中するため、インスタグラムを離れていた。

(c)2018 The New York Times News Services 

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