「定年後の年収は半分未満」が4割という現実 「労働時間は変わらない」人が半分以上だが…

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私たちの調査対象のうち、定年後も働いている男性の64.1%が、定年前と同じ企業(グループ)に継続雇用で働いています。そして定年前とは別の企業グループへの再就職者は28.0%、起業者は5.4%となっています。

定年後の働き方として定年前と同じ企業(グループ)での継続雇用を実際に選んだ人の51.3%が「今まで培ったスキルやノウハウを活かせそうだったから」をその理由に挙げ、最も高い割合となっています。次いで「職場や勤務地など環境を変えたくなかったから」37.1%、「会社から継続を頼まれたから」33.9%と続きます。スキルやノウハウを活かすという前向きな姿勢が表れている一方、変化を避ける気持ちや受け身のスタンスもうかがえます。

定年前の正社員が継続雇用を希望する理由(第2回参照)と比べると、実際に継続雇用で働いている男性の場合には、「会社から継続を頼まれたから」の割合が高くなっています(60代前半の定年前正社員19.2%)。一方で、「今まで培ったスキルやノウハウを活かせるから」の割合は低くなっています(60代前半の定年前正社員73.2%)。

次に60代前半の継続雇用の男性が会社からどのような役割を期待されていると思うか、本人の認識をたずねました。

継続雇用者が自覚している「自分の役割」

継続雇用者のほぼ半数の人が「専門知識・ノウハウの提供」49.1%、「後進の指導・助言的役割」45.9%を期待されていると認識しています。一方、50代後半と60代前半の定年前正社員の男性においても、継続雇用者と同じ役割が上位を占めており、期待されている役割の認識はさほど変わりません。また、「経験や人脈を活かした第一線の仕事」を期待されていると認識している継続雇用者も、同年代の定年前正社員には及ばないものの33.0%を占めています。

一方、「経験・技能を必要としない軽微な仕事」しか期待されていないと認識している継続雇用者は12.1%。同年代の定年前正社員に比べるとやや高いものの、大きな違いはありません。

このように経験・技能・キャリアなどを活かした役割を発揮することが期待されているとの認識がうかがえます。

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