秋からD判定を覆す、受験対策の3つの「ない」 「海より深い反省」の後にすべきこととは?

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本当に重要なのは、いまこの時点でやるべきことに100%集中することです。落ちて後悔するくらいなら、勉強以外は些末なことと割り切ってください。結果にコミットが重要なのは、ダイエットも受験も一緒です。

私は、大学受験直前の半年は、テレビも見ませんでしたし、友達と電話もしませんでした。受験に向けてやらなくていいことを削ると、実はかなりの時間を勉強に回すことができますので、勉強以外は捨てるくらいの覚悟で打ち込んでください。

そして、勉強に打ち込んだとしても、まだ不十分です。次のレベルとして、勉強の中でも優先順位を改めてつけることが必要です。問題集を2つやろうと思っていたけど1つに絞る、教科書のまとめノートを作ろうと思っていたけど、教科書に書き込みをすることで時間を短縮する、など、勉強の中身自体の断捨離も進めていくのです。

断捨離する際には、「過去問とどれだけ関係しているか」という観点でやることを絞ってください。過去問自体をやるのは当然として、次は、過去問によく出る分野のテキストであり問題をやるべきです。志望校以外の大学の問題を解く余裕はないし、過去問にあまり出ない分野の勉強はしている暇がないのです。私のケースでいえば、たとえば東大の日本史では知識を聞く問題がほぼ出ないことが過去問からわかったので、知識を覚える勉強はほとんどせず、過去問を解くことだけにフォーカスしていました。

絶対浪人しない、と宣言

最後に、これが最も効果的ですが、「絶対浪人はしない」と宣言することです。

この宣言は、親や恋人など、仲の良い人であればあるほど、プレッシャーは高まります。

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現役ですべての大学に落ちてしまう人というのは、心のどこかで「落ちたら浪人すればいいや」という思いがあります。取り繕っていても必ずこうした甘えを抱いています。こんな気持ちでは危機感を持って、おしりに火をつけて勉強できるはずがありません。

「浪人はしない」と周囲に宣言することで、周りからのプレッシャーも高まり、勉強に対する外圧が高まってきます。比類ない結果を出すには覚悟が必要ですが、これは自分1人の中だけではなかなか決めきれないものです。周囲にこう宣言をすることによって、それが自分に跳ね返ってきますので、やまびこのように自分にプレッシャーが跳ね返り、覚悟が決まっていきます。

受験勉強など、人生全体から見れば、大したイベントではありません。もっと大変なこと、苦しいことがこの先には待ち受けています。ここでくじけているようではこの先の人生も知れたものになってしまいます。3つの「ない」を駆使してダメ判定を覆してください。

台風や地震でせつ「ない」ニュースが多い中、未来の日本を担うのはあなたがた若者しかい「ない」のです。頑張って!!

鬼頭 政人 資格スクエア創業者、弁護士

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きとう まさと / Masato Kito

1981年生まれ。開成中学、開成高校を特別優等の成績で卒業後、東京大学文科1類(法学部)に現役で合格。同大学法学部卒業後、慶應義塾大学法科大学院に現役で進学し、同大学院在学中に司法試験に一発合格。司法修習を経て都内の法律事務所に弁護士として勤務。ベンチャー企業を多面的に支援したいと考え投資ファンドに転職した後、22013年12月に資格試験対策をオンラインで提供する「資格スクエア」を創業、その後、ワンストップ電子契約サービス「NINJA SIGN」(後にfreeeサインと名称変更)も創業。著書に『東大合格者が実践している 絶対飽きない勉強法』など。

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