人間というのは慣れる生き物です。最初は志望校を変えることが苦渋の決断だったとしても、もう1度志望校を変えるのは大した決断ではなくなってしまいます。どんどんブレーキがゆるくなっていき、当初の滑り止めが最後の第1志望、なんてことになってしまいかねません。
ダメ判定ことD判定を受けているわけですから、志望校を変えるアドバイスをしてくる人もいるかもしれませんが、まだ9月なのです。センター試験まであと4カ月もあるのですから、まだまだあきらめるのは早すぎます。
「第1志望はゆずらない」
どこかの予備校の宣伝文句のようですが、これは絶対です。
やらなくていいことをやらない
そのうえで、2つ目は、断捨離、つまりやらなくていいことをやらないことです。
夏の間サボってしまった、ということは、当初の計画が狂っている、ということです。当初は天王山の夏に勉強するはずだったのです。それを加味した当初の計画どおり勉強を進めていったのでは、確実に計画未達に終わることになります。なんせ残された時間はわずかなのですから。
ここでやるべきは計画の修正であって、具体的には「やるべきことを減らす」ことです。
ともすると、焦っていろいろな本やいろいろな講座を受けようとする人がいますが、これはかえって逆効果です。当初やろうと思ったことすらできていないのに、なんで新しいことをやろうとするんでしょうか。ランチバイキングで取った皿が空になっていないのに、また新しい食べ物を取りにいくようなものです。食べ切れるわけがないでしょうよ、と言いたいところです。
ここでやるべきはむしろ、当初やろうと思ったことについて、再度優先順位をつけて、「やらなくてもいいことをやらない」ことが最も重要です。
ちょっと話はそれますが、人生の選択においては実はつねにこれがあてはまるものです。少しでも興味ある、やりたい、やるべきことをすべて行うことはいついかなる場面でもできません。人生とは、可能性を捨てていく、絞っていくプロセスであると言っても過言ではありません(もちろん、絞りきった後に残されたものには集中投資して、リターンを得るのを目指します)。欲張るとどっちつかずになります。
そして、やるべきことを減らす、といっても2つのレベルがあります。
1つめのレベルは、勉強とそれ以外のバランスです。アルバイトもして、文化祭もやって、恋愛もして、とあれもこれもとなってしまうのがティーン・エイジャーです。
ですが、受験までの限られた期間においては、勉強を第1優先にして、今やるべきでないことはやらない決断をするべきです。私のところに相談に来る受験生も、多くは「バイトもやりたい」「デートもしたい」と言いますが、私の答えは「やればいいよ。落ちても後悔しないなら」です。
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