なぜアップル、MSの新製品はこんなに違う? 新OS、新ハードからみえる両社の立ち位置
Mac Proの登場は12月を待たねばならないが、新しい基本ソフトはすぐに評価できる。新しいMacBook Pro、個人で使用中の古いMacBook Proの両方にマーヴェリクスをインストールし、しばらく使ってみた。新たなユーザーインターフェイス要素の導入による便利機能(これはこれで重要だ)や、従来機種で操作性のバランスが崩れていた部分(全画面機能を導入後、マルチディスプレイ機能との整合性が悪くなっていた)が修正されており、旧来バージョンのLion以降の改良によって歪みが出ていた部分をうまく修正している。
OS無償化の狙いとは?
アップルがこれまで有償で販売してきたMacOS Xをマーヴェリクスでは無償化した。これには、より多くの利用者にマーヴェリクスへの移行を促し、iOS製品を含むアップル製品内蔵基本ソフトの世代を揃えることが主要な目的ではないだろうか。アップルの思惑通りマーヴェリクスのダウンロード数は順調に伸びているようだ。まだアップル自身からの公式発表はないが、米調査会社のChiticaによると、MacOS Xの標準ブラウザであるSafariをクライアントとするウェブアクセスのうち、マーヴェリクスからのものが急増しているという。無償公開後わずか120時間で、マーヴェリクスからのアクセスは全体の11.8%に達したという。
最新のサービス、アプリケーション構造に対応した基本ソフトで揃えることで、PCをスマートデバイスよりもクリエーティブな道具として、エコシステムの中における役割を際立たせることができる。
アップルは個人向けPC市場の変化を受け止め、しかし、その中で(競争ルールを変えることなく)本来のMacが持つ良さを磨き込もうとしている。iPadを持っているが故に採れる作戦ではあるが、既存ユーザーにとっての利益も大きく、アップル製品を好むユーザーのブランドロイヤリティをさらに高めることができそうだ。
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