生計維持だけでない「定年後も働きたい」理由 「体力や気力の衰え」を感じるものの…
定年後の働き方について50~64歳の定年前の正社員にたずねたところ、各年齢層とも最も希望の多い就労形態は、定年前と同じ企業グループで働く「継続雇用」です。男性は各年齢層で約7割、女性も50代では約7割が希望していますが、60代になると約5割となります。次いで定年前とは別の企業グループで働く「再就職」が2~3割で続きます。
継続雇用を希望する理由については、男女各年齢層とも「今まで培ったスキルやノウハウを活かせるから」の割合が最も高くなっています。男性は各年齢層で7割を超え、女性は50代で約6割、60代前半で約7割となっています。
次いで「職場や勤務地など環境を変えたくないから」が続きます。男性約4割に対し女性は約5割と、各年齢層において女性のほうが男性より高くなっています。
「今まで培ったスキルやノウハウを活かせるから」と「職場や勤務地など環境を変えたくないから」は男女ともに高いものの、スキル・ノウハウを活かす点は特に50代では男性のほうが女性より高く、また、「別の会社の新しい職場環境や人間関係に慣れるのは大変そうだから」も含めて環境の変化を避ける点は女性のほうが男性より高くなっています。
また、「会社から継続を頼まれたから」は60代前半男性で19.2%と、ほかの年齢層や女性と比べて高くなっています。
「生計維持」以外に60代男性が働く理由
次に、定年後も実際に働いている60代男性に働いている理由をたずねたところ、60代前半では、「日々の生活維持のため」が64.7%と最も高く、次いで「生活のハリ・生きがいを持つため」が34.9%となっています。
60代後半では「生活のハリ・生きがいを持つため」が46.6%と最も高く、次いで「日々の生計維持のため」が42.9%と続きます。
また、60代後半では、「社会とのつながりを持ちたいため」28.7%・「健康のため」22.0%と、それぞれ60代前半より高い点が目立ちます。
定年後も実際に働いている理由を見ると、同じ60代でも前半では生計維持を、後半では生きがいを重視して働く傾向が見られます。
また、定年後も働いている60代男性に、現在の仕事に対する満足度をたずねたところ、満足している割合は7~8割となっています。満足していない理由としては、7~8割が「収入額が少ないから」、次に約4割が「業務内容にやりがいを感じないから」となっています(複数回答)。