生計維持だけでない「定年後も働きたい」理由 「体力や気力の衰え」を感じるものの…
50~64歳の定年前の正社員、定年後も働いている60代男性にとって、働き続けるうえで最も大きな障害・課題をひとつだけ挙げてもらいました。
男女各年齢層とも「肉体的な衰えや気力などの身体的事情」の割合が最も高く、年齢が高くなるほどその割合は上がり、特に正社員女性は、50代後半の35.0%から60代前半は45.3%と高くなります。
また、「肉体的な衰えや気力などの身体的事情」を挙げる割合は、各年齢層において女性のほうが男性よりも高く、60代前半の正社員では、女性は45.3%と男性の34.0%よりも高くなっています。
「家事や家族の健康・介護」は各年齢層において女性が男性よりも上回っています。最も差があるのは50代後半で、正社員の男性3.4%に対して女性は10.5%と高くなっています。
勤務先に求めたい取り組みとは?
定年後の60代男性に対して、60歳以上の人を雇用するうえで、企業等勤務先に必要と思われる取り組みについてたずねました。
定年後に働いている・働いていないにかかわらず、「継続雇用者の処遇改善」の割合が5~6割と最も高く、定年後も働いている男性のうち60代前半では約6割になっています。そして、「シニア層の就労についての職場の理解」「新たな勤務シフトの導入」が2~3割と続きます。
今回の私たちの調査によれば、定年前の正社員のうちの約8割が定年後も働くことを希望しており、また、実際に定年後も働いている理由のトップは日々の生計の維持のためで、年齢層が高いほど生きがいや社会とのつながりも意識するようになることがわかりました。
定年後の働き方として最も希望が多かったのは継続雇用で、60歳以上を雇用するうえで最も必要な取り組みは処遇改善でした。
企業等にとって、労働力人口の減少に対応するひとつの手立てとして、60代社員の活性化やその働き方への工夫は従来以上に重要となります。個人にとっても、人生100年時代において収入や生きがいの確保という点で、仕事とどう向かい合っていくかは大切なテーマではないでしょうか。
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