スルガ銀行、担当弁護士が次々に辞める理由

被害弁護団との交渉決裂で、株主代表訴訟か

スルガ銀行の担当弁護士は1人だけ留任してはいるが、「1人ではダメだから(交渉に)出るな、と誰とは言えないがそう言われたようだ。スルガ銀行は交渉の窓口を切ってくる暴挙に出た」(被害弁護団団長の河合弘之弁護士)。

弁護士の辞任についてスルガ銀行は「個別の契約についてのコメントは差し控える」(経営企画部)としている。

辞任しても被害弁護団との交渉は継続

今回、辞任したスルガ銀行側の弁護士の1人は「旧経営陣が辞任するタイミングで我々も一緒に辞任することは、以前からスルガ銀行に伝えていた。新経営陣が交渉の方針を決めたら弁護士も新たに選任するだろう。弁護士が辞任したからといって、被害弁護団との交渉を打ち切ったわけではない」と語る。

9月12日に司法記者クラブで会見した、スルガ銀行・スマートデイズ被害弁護団(記者撮影)

弁護士はあくまで代理人であり、新経営陣の方針が決まるまで勝手に交渉はできないという。

仮に新たな弁護士が選任されて交渉が再開しても、合意に至る見通しは立たない。これまでの7回にわたる交渉でも、実質的な進展には乏しかったからだ。「私たちは無理無体なことを言っているわけではない。不動産は返すから借金をゼロにしろと、極めてフェアな要求をしている」(河合弁護士)。

だが、7回すべての交渉に参加したというオーナーの男性は「スルガ銀行側の弁護士は、こちらの要求をのらりくらりとかわすだけだった」とあきらめにも似た表情を浮かべる。

これに対して、スルガ銀行と関係のある弁護士は、個人的な意見と前置きしたうえで「スルガ銀行としては、債務の負担割合については交渉の余地がある。だが被害弁護団の言うような、すべてチャラにしろという主張には応じられない。これを認めてしまったら、不動産投資で損失を出しても銀行に買い取ってもらえることになり、モラルハザードが起きてしまう。互いに交渉の余地がなく、このまま(交渉を)続けていても意味がない」と打ち明ける。

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