窮地・スルガ銀、報告書が明らかにする「実態」

第三者委員会が今日公表、ポイントは?

窮地に立つスルガ銀行。報告書を受けてどう対処するか(撮影:梅谷秀司)

女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を運営するスマートデイズの経営行き詰まりで発覚したスルガ銀行の不適切融資問題。第三者委員会(委員長=中村直人弁護士)の調査結果が本日9月7日公表される。審査書類の改ざんなど不適切な融資が、シェアハウス以外のアパート・マンション投資用ローンにも蔓延していた実態が明らかとなりそうだ。

焦点のひとつは不適切融資の総額だ。スルガ銀行の貸出金残高3兆1500億円のうち、3割を超す1兆円の貸し出しが不適切な手続きで実行されたのではとの見方が強まっている。この問題の発端であり社会問題化したシェアハウス融資残高2000億円の5倍にも上る。

「投資用不動産ローン」の残高は?

そしてアナリストや投資家が注目するのが、「投資用不動産ローン」の残高が実際にどうなっているのかということだ。

貸出金3兆1500億円のうち、9割が個人向けローン。スルガ銀行は個人向けローンのうち2兆円を「住宅ローン」と説明してきた。

残りの9000億円は「パーソナルローン」で、これは有担保ローンや無担保カードローンなどからなる。ある投資家は「投資用不動産ローンは、6000億円ほどの有担保ローンに含まれると考えていた」と語る。

ところが現在では、投資用不動産ローンの残高は2兆円にも及ぶとの見方が広がっている。実際、同行の関係者は「自分の知る限り、首都圏で住宅ローンはほとんどなかった。柱は投資用だった」と打ち明ける。

スルガ銀行に確認すると「投資用不動産ローンは、住宅ローンと有担保ローンのどちらかに振り分けられる」(経営管理部)。あるアナリストは「普通でいうところの住宅ローンがいくらかは決して教えてくれなかった。投資用不動産ローンはほとんどないと認識していた」という。

高収益の銀行と言われてきたスルガ銀行。その牽引役は「女性や外国人にも独自の審査ノウハウで提供する住宅ローン」のはずだった。もし投資用が融資の過半を占めていたとなると、ビジネスモデル自体が誤って認識されていたことになる。スルガ銀行はIR(投資家向け説明)に消極的との声をよく聞くが、消極的どころか、誤解を生む情報を提供してきた可能性がある。

一方、不動産業界関係者も、調査結果に目を凝らしている。不適切融資の手法のひとつとして、業界のタブーとされてきた「二重売買契約」の手口が白日の下にさらされるからだ。

次ページ「二重売買契約」の通る銀行の代名詞
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