「iPhone」のまま年4万円以上節約する方法 条件が当てはまれば、十分検討の余地有り

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【ポイント5】「MNPの引き止めポイント」に惑わされるな

総務省は2018年6月6日に、MNPのガイドライン改正案を公開しました。改正案の中には、店頭や電話でMNPの手続きをする場合、転出したいユーザーを引き留める機会になるため「Webサイトでの手続きも行えるようにする」と、今後の対策を示しました。

実際、大手キャリアではドコモのみがweb上からMNPの転出手続きを行うことができますが、auとソフトバンクに関しては電話と店頭でしか手続きを行うことができません(2018年8月末時点)。大手キャリアに電話でMNPの転出手続きを行うと「他社に乗り換えないのであれば、機種変更時の端末代に充てることができる1万円分のポイントを付与します」といった、乗り換えを引き留める案内が行われることがあります。

ただ冒頭で、「格安SIMに乗り換える場合、人によっては月々のスマホ料金が毎月4005円安くなる可能性がある」と述べたとおり、ポイントうんぬんの話は乗り換えによって早い段階で取り返すことができる可能性が高そうです。

MNPの転入手続きが簡単に

【ポイント6】ネット経由で申し込んでも不便な期間はほとんどない

以前まで、店頭ではなくネットからの申し込みで格安SIMに乗り換える際、不通期間が存在するケースがありました。通常、現在契約しているキャリアでMNPの予約番号を取得後、ネットから格安SIMの申し込みを行い、SIMカードが手元に届くまで数日を要します。この際、SIMカードが発送される前にMNPの転入手続きが行われると、自動的にこれまで契約していたキャリアでは解約処理が行われてしまうため、新しいSIMカードが届くまでの間、不通期間が発生していたのです。

しかし現在は、ネットからの申し込みでも、申込者のタイミングでMNPの転入手続きができるようになりました。たとえば、格安SIMを提供するIIJmioは、2015年9月9日に「不通期間を解消する新しいMNP転入方法導入のお知らせ」を発表し、「おうちでナンバーポータビリティ」という任意のタイミングでMNPの転入手続きを行える機能の提供を開始しました。つまり、ネットからの申し込みであっても、SIMカードが到着するまでは元のSIMカードを利用してデータ通信を行う。新しいSIMカードが手元に届いたら、電話もしくはネット上でMNPの転入手続きを行い、約15分程度待つだけですぐにデータ通信を利用することができるのです。

最後に、節約と聞くと、食費や電気代などの変動費を抑えることに目が行きがちですが、こういった「意志の力」を必要とする節約は長続きしません。しかし、通信料などの固定費は、最初に手続きさえ済ませてしまえば、継続して節約していくことが可能です。大手キャリアユーザーの方は、手始めに通信料を見直すことから始めてみてはいかがでしょうか。

吉田 祐基 ライター兼編集者

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よしだ ゆうき / Yuki Yoshida

各種金融系情報誌の編集・執筆業務を行う株式会社ペロンパワークス所属。大手不動産情報サイト編集記者を経て入社。株・投資信託の編集・執筆を担当。ファイナンシャルプランナーの資格も。

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