天災相次ぐ大阪、好調「訪日消費」に影響は? この3カ月で台風、豪雨に地震に見舞われた

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ドラッグストア大手、マツモトキヨシホールディングス傘下のマツモトキヨシも「豪雨や地震があったときは、一時的に客足が遠退いたが、想定していたよりは影響は大きくない」。関西地盤のキリン堂ホールディングス傘下のキリン堂は「震災があったときは、少し客足が遠退いたが、大きな影響は出ていない」としている。

中国のオンライン旅行会社最大手シートリップの幹部は「そんなに影響はないのではないか。ほかの都市に行っている場合もあり、インバウンド全体としても減っているわけではない。大阪は第2の都市で、周辺には奈良や京都もある。訪日客からの人気はまだ根強い」と見る。

ただ、「来週以降のキャンセルはまだ出ていないが、北海道地震の影響もあり懸念している」(ロイヤルホテル)。「関空の映像や、タンカーがぶつかっている状況などが世界的に流れると、風評被害のような感じで、訪日客への影響はよくないだろう」(近鉄百貨店)。

「観光客数はすぐ戻る」

ある台湾の旅行会社の担当者は「短期的に旅行のキャンセルなど観光客数は減るだろうが、影響は長くても1~2カ月。インフラの問題が解決すれば、すぐに観光客数は戻る。台風や地震などの災害は台湾でもよく起きていることなので、日本で災害が起きても台湾の人たちはあまり気にしない」という。

インバウンド動向に詳しい、三菱総合研究所の 劉瀟瀟(りゅう しょうしょう)研究員は、「西日本、北海道を含めた日本の災害は日本に興味のある若者中心に関心が高い。被災地にいる外国人観光客への情報提供も不足している状況だ」と指摘する。

日本人でも困惑してしまうのに、言葉の不自由なインバウンドが的確な情報を得るのはさらに難しい状況だ。「日本は公式での観光客向け情報発信がまだ弱い。観光客に引き続き来てもらうためには、 外国語でツイッター、微博などのSNSを駆使してリアルタイムで発信していくことが必要」(劉研究員)。

相次ぐ天災は、インバウンド増加の流れに水を差すのか。各業界の担当者はかたずをのんで、状況を注視している。

東洋経済 消費動向取材班
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