天災相次ぐ大阪、好調「訪日消費」に影響は? この3カ月で台風、豪雨に地震に見舞われた

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被害の小さかった第2ターミナル・B滑走路では、9月7日に一部国内線が運航を再開する。内訳はピーチが17便、JALが2便。同ターミナルの国内線運航会社はもともとピーチのみだ。「エアラインとして運航が再開できる体制は5日中には整っていたが、空港側の体制が整っていなかった」(同社関係者)。空港は夜を徹して故障部分の対応や体制整備を行い、6日午前中には7日の運航再開を表明した。

ただ、第1ターミナル・A滑走路での運航再開のメドは立っていない。関空に定期便を乗り入れている航空会社は国内外合わせて59社(2018年夏期ダイヤ時点)。第2ターミナルを利用するのはピーチと中国・春秋航空のみ。これら以外はすべてが第1ターミナルの発着だ。

SMBC日興証券のレポートによると、2017年にインバウンドの26%が関空を経由して入国している。閉鎖が長引けば、インバウンドに甚大な影響を及ぼしかねない。

ホテルでは100室のキャンセルも

宿泊施設にも影響が出ている。「100室ぐらいがキャンセルになった」と肩を落とすのは大阪の名門「リーガロイヤルホテル大阪」を運営するロイヤルホテルの担当者。建物にはほぼ影響はなかったが、関空が閉鎖になった関係で「日本国内からの予約動向に変化はないが、アジア系の団体客からキャンセルを受けた」(同)という。

近鉄百貨店は4日にあべのハルカス本店を休業。台風が去った5日は通常通りに営業をした。外国人も普通におり、店頭の賑わいは、通常営業日と何ら変わらなかった。当店は関空だけでなくて、中部国際空港を利用して新幹線で来られる外国人もいるので、緩和される部分はあるだろう。

エイチ・ツー・オー リテイリング傘下の阪急阪神百貨店は同じく4日は14店中、関東と九州を除く12店舗すべてを閉店。5日は通常通り営業したが「数字はまとまってみないとわからないが、特に変わった様子はない」(会社側)という。

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