伝説の記者が暴くトランプのヤバすぎる内実 新著でホワイトハウス奥の院の混乱を暴露

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これに対し、マティス国防長官は「第3次世界大戦を防ぐために、我々は行っています」と答えた。

ワシントンポスト紙によると、ウッドワード氏は、トランプ大統領が会議場所から去ると、「マティスは極めて憤慨して動揺していた。そして、側近に大統領は、小学5、6年生の振る舞いと理解力しか持ちえていないと述べた」と説明している。

対北朝鮮政策の実情

トランプ大統領が北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長を国連総会で「リトル・ロケットマン」とののしり、金委員長が大統領を「狂った老いぼれ」と言い返す。本の中では、そんな米朝の緊張が一気に高まった2017年秋の舞台裏も描かれている。2017年後半は、2人の常軌を逸した罵倒合戦が日に日にエスカレートし、日本の一部の「専門家」の間でも、アメリカによる北朝鮮への先制攻撃は避けられないと主張する人々が少なからずいた。では、実情はどうだったのか。

ウッドワード氏によると、大統領は秘書官のポーター氏に対し、事態を金正恩氏との「意志の競争(a contest of wills)」ととらえ、「これは、すべて指導者対指導者という話だ。男と男の対決だ。私と金の対決だ」と述べたという。要は、大統領も核攻撃を辞さない軍事オプションをちらつかせながらも、内実は「はったり合戦」だったことが描かれている。これは筆者が昨年春先以来、東洋経済オンラインに何度も書いた内容と一致する(例えば、「トランプvs金正恩は『脅し合い』にすぎない」)。

このほか、シリアのバッシャール・アサド大統領が2017年4月に民間人への化学兵器攻撃を行うと、マティス国防長官に「奴を殺せ!」などと電話で指示。マティス氏は「直ちに取り掛かります」と述べたものの、電話を切った後に側近に「我々はそのようなことはしない。もっと慎重な姿勢で臨む」と述べたという。これで結局、通常の空爆におさまったという。

首席戦略官を務めたスティーブ・バノン氏と、トランプ氏の長女で大統領補佐官のイヴァンカ氏の激しい口論のシーンも描かれている。大統領首席補佐官だったラインス・プリーバス氏を介さずに、仕事を遂行するイヴァンカ氏に対し、「君はスタッフの1人だ」などとバノン氏は怒鳴り散らした。これに対し、イヴァンカ氏は「私は決してスタッフではない。長女だ!」などと反論したという。

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