チムニーは3度目の"結婚"で幸せになれるか 酒販チェーンが居酒屋業界の"暴れ馬"にTOB

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そこで、和泉社長を含む経営陣は2009年11月、カーライルと組んでMBO(マネジメント・バイアウト、経営陣による買収)に打って出た。表向きは人材育成や給食事業の受託をするために株式を非公開化して経営改革を進めるとしていたが、実際には親会社から独立するためにMBOを選んだものと見られる。

MBOからちょうど5年で売却

カーライルの日本法人が入居する都内のビル(撮影:高橋孫一郎)

2010年4月に上場廃止となったチムニーは、カーライルから役員を受け入れ、執行役員制の導入や調理技術向上のために社内大学を設置するなど、経営改革を推進。2011年には愛媛県に魚の加工場を設置し、念願だった川上事業への進出を果たす。

また、2012年4月には自衛隊の基地食堂など防衛省向けの84施設を一気に受託するなど、居酒屋以外の事業も開拓していった。

MBO時に掲げた人材育成や新規事業の立ち上げが十分に進展したとの判断から、チムニーは東京証券取引所へ上場を申請。2012年12月に再上場を果たした。このとき、MBOからすでに4年が経過していた。投資ファンドの投資期間はおおむね3~5年。出口を探る時期が近づいていた。

カーライルは上場後の売却禁止期間(ロックアップ)180日間が終わった7月下旬から売却先を模索。何度かの入札を経て10月にやまやを選定し、今回のTOBに至った。

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