チムニーは3度目の"結婚"で幸せになれるか 酒販チェーンが居酒屋業界の"暴れ馬"にTOB

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「はなの舞」のヒットで親会社と疎遠に

チムニーは1984年にジャスコ(現イオン)の外食部門として設立。当時はスペアリブやビールを提供する洋食居酒屋だった。その後、ショッピングセンター事業に注力するイオンの経営方針転換に伴い、1997年に食肉加工大手の米久に売却された。米久は自社の食肉加工品や地ビールの売り先として相乗効果を狙っていた。

和泉社長がチムニーの成長を牽引した(撮影:梅谷秀司)

しかし、そうした米久の思惑をよそに、チムニーは1995年に開発した「はなの舞」のヒットを受け、海鮮系居酒屋へ主軸を移す方針を決定。相乗効果は徐々に薄らいでいった。

チムニーと米久の疎遠が決定的になったのは2007年、米久の筆頭株主がキリンビールから三菱商事に変わったときだ。

三菱商事は当時、子会社の売却や伊藤ハムとの提携など、食肉事業への集中を進めていた。このとき、チムニーは米久グループの営業利益の過半を稼ぎ出す利益柱になっていたが、海鮮料理を強みとするため、三菱商事にとっては構想外の存在だった。

「親会社の指示でビールを仕入れたり、川上事業への進出できなかったり、さまざまな圧力があった」(和泉社長)

次ページ独立を求め、MBOに打って出た
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事