原油価格が年末にかけて一段と上昇するワケ

1バレル=65ドル以下には下がりにくい?

アメリカ・テキサス州の原油掘削地域。増産できているはずなのに、 なぜ原油価格は下がりにくいのか(写真:Nick Oxford/ロイター/アフロ)

原油相場が、再び上昇し始めている。これまでは、OPEC(石油輸出国機構)による増産懸念を背景に上値が重かった。だが、ニューヨークのWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物価格は1バレル=65ドルを底値に切り返しの動きに入りつつある。

なぜ原油価格は下がりにくいのか

筆者は本欄の「OPEC増産でも原油価格が下がりにくい理由」(6月28日配信)で、「これまで割安に放置されてきたWTI原油は65ドルを底値にさらに水準を切り上げやすい環境になっている」「65ドル以下では、どの産油国も厳しい状況に追い込まれる」とし、65ドルが底値になると明確に指摘してきた。

結果的に、やはり今回も65ドルを底値に切り返しており、見立てどおりに推移している。結局のところ、原油などのコモディティの価格はファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の動向に左右される。生産者が生産を継続できない価格水準は続かず、いずれ採算レベルにまで戻すのが常識的な動きである。

この「採算レベル」を考えるときに重要なことは、現在の生産コストだけでなく、将来の生産拡大や新規開発に必要な価格水準を考慮することである。現在稼働している石油鉱区では、生産コストが65ドルを超えるようなところはむしろ少数である。しかし、今後生産を拡大しようとすれば、そのコストは65ドルを超える水準にまで上がっているということである。

昨年末にアメリカのダラス地区連銀が同国のシェールオイル企業に対して実施した、「石油掘削リグ稼働数が拡大する原油価格水準」についての調査によると、60ドル以下では7.2%のみが「稼働可能」と答えている。

つまり、シェール企業の92.8%が稼働に必要な原油価格の水準を61ドル以上と答えていたのである。さらに、51.2%以上のシェール企業が、66ドル以上の原油価格が必要と回答していた。

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