神戸新聞が生んだ「高校野球」自動戦評の裏側 プログラマーではない社員のアイデアだった
兵庫県の地元紙として、愛されてきた神戸新聞社。創刊120周年を迎えた同社はこの夏、AIを活用して高校野球(東・西兵庫大会)の試合戦評を自動生成し、Twitterで配信する取り組みを始めました。
その名も「経過戦評ロボットくん」。球場で集めたデータを読み込むと、あっという間に試合の流れがわかる原稿がリアルタイムで出来上がります。
このAIを開発したのは「日曜プログラマー」を自称する社員。雑談をきっかけに業務外で始めた作業が、注目を集める情報配信につながりました。なぜ地方の新聞社がAIに取り組んだのか? 企画総務局教育ICT室の武藤邦生さんと、デジタル事業局メディアプロモート室の川上隆宏さんに聞きました。
社内のノンプログラマーが業務外で開発をスタート
【ロボットくん】報徳対市尼崎は2-0で報徳が勝ち、甲子園出場を決めた。報徳は5回、一死満塁から3番長尾亮弥のファーストゴロファーストエラーで2点を先制し、この得点を守り切った。(続) pic.twitter.com/I3roT0N6Ui
— 経過戦評ロボットくん【高校野球・兵庫大会】 (@koya_robot_kun) 2018年7月28日
――どうしてAIを活用して原稿を自動生成しようとなったのでしょうか。「高校野球」をテーマに取り組んだ理由も気になります。
川上:弊社が運営するウェブサイト「神戸新聞NEXT」(以下、NEXT)では、高校野球コンテンツの人気が高く、これまでも全試合イニング速報を行ってきたほか、一部の記事や選手名鑑などは有料コンテンツとして提供してきました。
より使いやすいサイトを目指して、この春に高校野球ページのリニューアルをしたのですが、その際に目玉となる有料コンテンツとして「一打席速報」を追加しました。球場にいるデータ入力者が「4番 富永 レフト二塁打 二死 二塁」のように一打席ごとの詳細な結果を打ち込んで、試合の流れをリアルタイムで配信していく取り組みです。
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