日本人が治すべき「テクノロジー怖い」症候群

GAFAを知れば「新しい生き方」が見えてくる

われわれが生きるこの時代は、「国もあるけどGAFAもある」という世界に向かいつつある(撮影:中川雅博、今井康一、長瀧菜摘)
Google、Apple、Facebook、Amazon――GAFA。その強さの秘密を明らかにし、その影響力に警鐘を鳴らす書籍『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』がいま、世界22カ国で続々と刊行され、話題を集めている。
長年ITを取材してきたジャーナリストの佐々木俊尚氏は、GAFAをどう見ているのか。GAFAに代表される先端テクノロジーに対する日本人の反応をどう考えているのか。話を聞いた。

GAFAはプライバシーを奪うだけか?

GAFAについて語ると、大抵すごく褒め称えるか、「プライバシーがなくなる!」と大騒ぎするかの両極端になりがちですが、『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』はフラットに描いており、ここまで包括的にGAFAの全体像を描いた本は今までなかったなという印象です。

『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』は、発売1週間で10万部のベストセラーとなっている(画像をクリックすると特設サイトにジャンプします)

2013年に出版した『レイヤー化する世界』(NHK出版新書)で触れましたが、プラットフォーマーのような企業が巨大化すると、われわれはのみ込まれてゆきます。のみ込まれてゆくこと自体を是認するのかどうかが、いま、社会的に重要なテーマになっているんですね。

たとえば中国社会では、監視されることによってプライバシーや自由がなくなっています。一方で、プライバシーを提供することによって安楽な生活を送れている。プライバシーを取るか、監視を是認して安楽を求めるのかという両極端の選択の結果、13億人が豊かに過ごすには、多少の自由は我慢してもいいという概念を持つに至ったわけです。

独裁政権vs.中国人の構図は、GAFAvs.利用者とまったく同じです。「プライバシーが奪われる」と大騒ぎするのは簡単ですが、じゃあアマゾンやグーグルをまったく使わずに生活するのか? そこをどう考えるのかという知恵が描かれているのもこの本の良いところですね。

――プライバシーに関しては、情報漏洩問題など企業側に批判が集まっていますね。

プライバシーのコントロールは難しい問題になっていて、GAFAの4社それぞれが別の岐路に立たされています。

アップルは基本的に、プライバシーは取らないという方針です。普通はクラウド上でAIを使ってデータを分析し、フィードバックするものなのですが、アップルはそれをやらずに、マシンにAIのチップを内蔵する。それがハードウエアメーカーとしての矜持なんですね。

ところが、そのためにAI戦争に乗り遅れた。アップルのSiri(シリ)は、アマゾンのアレクサやグーグルアシスタントに比べると、圧倒的に性能が低いんです。このままの路線で生き伸びられるのか? これがアップルの岐路です。

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