中国文系エリートが語る、就活のポイント 中国エリート学生座談会(その2)

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発展空間はあるのか?

沈永革:僕が企業を選ぶ際には、自分なりの基準がありました。まず資産管理の規模が10億元以下の企業は小さすぎます。中国では20億~30億元であればまずまずでしょう。100億元以上であればよいほうです。これが第1点です。

第2にその企業に関したニュース、業界の評価を探し、この会社がはたしてどんな理念を持っていて、パートナーがどのような話をしていて、それにはどのくらいの影響力があるか、彼らは何に投資して、その評価はどうかといったことを見ました。

第3にその企業が投資した会社のうちどこが上場しているか、その比率はどのくらいかを見ました。僕は、内部情報はあまり得られませんが、公開されている情報から調べられることもあります。たとえば投じた会社が多くても、1社も上場していないのであれば、おそらくこの会社には問題があります。もし20社投じたうち10社が上場していれば、業績のいい企業といえるでしょう。

――今、挙げた要素の中で、最も大事なことは?

沈永革:管理規模ですね。この業界では管理規模が大きな会社が名声も大きく、投資するプロジェクトも多いですし、プロジェクトにつながる案件をより多く探しあてることができます。

――つまり発展空間のある会社で働きたい?

沈永革:発展空間といっても、この業界には近道はありませんよ。最初は投資アシスタントから始め、時間をかけてだんだん成熟していくしかありません。仕事内容はどこも一緒です。

――徐々にステップアップしながら、最後はパートナーになるか自分でファンドをつくる?

沈永革:そうですね。そうなれば一生の仕事になります。これは私にとって非常に重要なことです。だからこそ、この仕事を選んだのです。30~50年後、自分がどんな事業をしているのか考えたとき、どれだけ大変でも株投資の事業をしたいと思いました。そのためには、若いうちにこの方面の仕事に没頭する必要があります。

張宏:今、はやりの命を削って仕事をする、だね。

――はやってます?

張宏:彼のはやり。

沈永革:僕の周りでは、僕みたいなのは珍しいです。

張宏:僕は彼とは長い付き合いなんだけれど、こいつには非常に明確な目標があるんだ。それは仕事だけでなく、人生計画についてもそう。だからこいつはつまらないんだな。

沈永革:僕は人生を追求するタイプなんだ。

※この座談会は「アジア・トップ大学生の就職実態を探索する」/リクルートワークス研究所の調査のために行われたものです。

※登場人物の名前はすべて仮名です。

田中 奈美 ルポライター

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たなか なみ

東京都生まれ。2003年より北京に留学。中国の社会生活やビジネスに関するルポを各紙誌に発表。著書に『北京陳情村』(第15回小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞作)『中国で儲ける―大陸で稼ぐ日本人起業家たちに学べ』(新潮社)がある

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