「東京五輪」で危ぶまれる「ボクシング」の開催

国際連盟のトップはロシア系マフィア幹部か

欧州ボクシング連盟のフランコ・ファルシネリ会長(左)と、マフィアとの関係が暴露された国際ボクシング連盟会長代行、ウズベキスタン人のガフール・ラヒモフ氏(写真:TASS/アフロ)

不祥事が相次ぎ表面化して辞任した日本ボクシング連盟の山根明会長(78)。辞任声明の最後に、「選手の皆さん、将来、東京オリンピックに参加できなくても、その次のオリンピックもあります」と言った。

本記事は会員制国際情報サイト「Foresight(フォーサイト)」(新潮社)からの転載記事です。元記事はこちら

この言葉に首をひねった人が多々いた。東京五輪参加の可否と会長の辞任にどんな関係があるのか、まったく意味不明だった。

実は、日本ではあまり知られていないが、東京五輪でのボクシング開催が危ぶまれている。東京五輪でボクシング種目が除外された場合、誰も参加できない。だから、山根氏はそんな発言をしたのだろう。

国際ボクシング連盟(AIBA)は、財務問題や審判選任問題、内紛など問題が山積。さらに現在の会長代行は、米政府によってロシア系マフィアの幹部として金融制裁の対象に指定されている。

トーマス・バッハ国際オリンピック委員会(IOC)会長が、IOCとして「東京五輪種目からボクシングを除外する権限を保持する」とローザンヌで記者団に発言するほどの事態に陥っているのだ。

東京五輪からボクシングが除外されたら、日本ボクシング連盟の責任だって問われかねない。すでに開催を前提とした準備活動も行われているだろう。その上、山根氏は国際ボクシング連盟会長代行との関係が近い、とも伝えられている。そんなことも辞任決断の理由だったかもしれない。

ヘロイン生産―密輸に関与

現在の国際ボクシング連盟会長代行は、ウズベキスタン人のガフル・ラヒモフ氏(67)。ラヒモフ氏がロシア系犯罪組織の幹部、という事実は米財務省の情報機関「情報分析局(OIA)」が突き止めたとみられている。

ラヒモフ氏とマフィアの関係が最初に暴露されたのは、2012年2月23日。米財務省は、日本の「ヤクザ」組織山口組の幹部2人とユーラシア一帯で暗躍する「ブラザーズ・サークル」と呼ぶ犯罪組織グループの7人の主要メンバーに対する金融制裁を発表した。

ブラザーズ・サークルはユーラシア大陸の旧ソ連構成国や中東、アフリカ、中南米に至る地域で暗躍する犯罪ネットワークといわれる。その主要メンバーの1人、ラヒモフ氏は「ウズベキスタンの犯罪組織のリーダーで、中央アジアでのヘロイン生産から密輸に至る大シンジケートを運営している」と米財務省は発表した。最大のヘロイン生産国アフガニスタンなどアジア各地で生産された麻薬をカフカス地方を経て欧州に密輸する秘密組織の幹部、というわけだ。

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