1日1万歩も!パ・リーグ「歩数計アプリ」の効果 ダウンロード数がファンを中心に5万件突破
ところが、パ・リーグウォークのユーザーは、53%が男性で、47%が女性。年代別では57%が30~40歳代。自治体がアプローチできていない、難攻不落の就労世代といえる。
しかもアプリ利用者の3割近くが1日1万歩を達成するという。平均身長の男女でいえば、1万歩は大体7~8㎞に相当する。同世代の平均歩数と比べると、男性は約1.3倍、女性は約1.5倍の距離を歩いている計算になるのだ。
一体何が就労世代に響いたのか。単に歩数をカウントするだけでなく、ランキング機能も備えているので、その日ごとに登録ユーザー間での自分の順位がわかる。
また、応援している球団のファンが歩いた歩数の総合計で、他の球団のファンと競うなどの機能も備えている。
逆にいえば、ただそれだけなのだ。歩くことに対し、著しくモチベーションを刺激しそうな仕掛けがあるようには見えない。
1万歩を意識して歩くユーザーが増えた施策とは
リリースから半年後の2016年10月、1日1万歩を達成した人に、応援している球団の選手の「選手図鑑」を贈るサービスを付加したところ、1日1万歩を達成するユーザーの割合が高まった。
2016年4月から12月までの9カ月間に、一度でもアプリを立ち上げたユーザーのうち、実際に1万歩以上歩いたユーザーの割合は4月から9月では24.4%だったものが、10月から12月では27.5%に増加したのだ。
歩数の分布についても、1万歩付近に1つのピークが現れたという。明らかに1万歩という目標を意識して歩くユーザーが増えたようだ。
10月になれば、ペナントレースが終わり、他球団のファンと競う機能がなくなるし、そもそも冬場は人間の活動量が落ちる。
しかも、「図鑑」と言っても、写真と簡単なプロフィールが記載されただけの、袋菓子についている選手カードのWeb版程度のものにすぎず、なおかつ欲しい選手のものを指定することもできないにもかかわらず、である。
これには、検証にあたっている鎌田助教も「正直、結果に驚いた」という。
もっとも、パ・リーグウォークは、「健康のために運動しましょう」という、健康訴求型のアプローチが徹底的に封印されているという。
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