結果を出すメンタルを鍛えた室屋義秀の軌跡

エアレース王者を指導する白石豊氏の存在

エアレース・パイロットの室屋義秀選手(筆者撮影)
勝負どころで思うような結果を残せない、本番前から緊張して失敗したことがある、良くないことを考え出すと抜け出せずにいる、とにかくメンタル面を強くしたい・・・・・・。
このように考えている方は、非常に多いだろう。だがメンタルトレーニングを日々続けて自分でコントロールできるようになれば、実力を発揮することができるはずだ。
『世界一のメンタル』は、スポーツメンタルトレーナーの白石豊氏と、2017年にレッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ(以下、エアレース)で世界王者となった室屋義秀選手の共著。スポーツライターの佐久間秀実氏が、圧倒的な結果を出すまでの室屋選手の鍛え方を解説する。

 

白石氏はこれまで、数々のトップアスリート達を指導し、サッカー元日本代表監督岡田武史氏のチーム作りもサポートしてきた日本屈指のメンタルトレーナーだ。

白石氏のメンタルトレーニング内容を紹介すると、30年前に開発した「心身調律プログラム」、集中内観、メンタルスキルの自己評価、 心を整理するマンダラ、インスタント・リラクゼーション・テクニックなどとなる。

世界王者になるまでの険しい道のり

室屋が王者になるまでの道のりは険しく、パイロット人生は順風満帆と言えるものではなかった。

18歳からパイロットを目指し始めた彼には、どうしても克服できないものがあった。それは、フライト前にのしかかる緊張状態である。飛ぶ前になると原因不明の緊張状態に襲われ、震えたまま空に向かって飛んでいたのだ。いったん飛び立ってしまえば緊張状態から解き放たれるのだが、フライト前にだけどうしても緊張してしまう。

室屋は2009年にエアレース・パイロットとしてデビューを果たしたが、思うようなレース展開ができずに1年目のシーズンを終了した。2010年に入ってもフライト前の緊張状態だけはどうしても消すことはできず、不甲斐ないシーズンを送っていた。そして翌年のエアレース開催が、安全面を見直すことを理由に中止となってしまったのだ。

室屋はこの先どうしていけばよいのかと、もがき苦しんだ。

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