石破支持の声がまったく盛り上がらない根因 同じ「反乱」でも小泉元首相とは大違い
しかしながら17日の会見では記者からの質問は相次いだものの、8月10日の出馬会見ほど注目を集めることはなかった。安倍首相の3選が確実視されている以上、当選することのない石破氏の動向を報道する価値はあまりないということもあるだろう。ニコニコ動画やTHE PAGEといったネット動画配信メディアが17日の会見に参加しなかったことも、露出度が低くなった理由だ。
そればかりではない。筆者が気になるのは、普段は人一倍丁寧に語る石破氏の「言葉の薄さ」である。
「私はどんな媒体の取材でも受ける」。10日の会見でも17日の会見でも、石破氏は大手メディアに限らずフリーランスの取材をも歓迎すると断言した。17日の会見では表現の自由に関し、「国政上の説明義務」を規定する自民党案について言及している。その背景には森友・加計問題があることは間違いないが、同時にネットや雑誌など記者クラブ以外のメディアに対するアピールも感じられた。
石破氏と同じく党内基盤を持たない小泉純一郎元首相は、新聞やテレビよりも週刊誌やスポーツ紙などといったメディアとの距離が近かった。それが2001年4月の総裁選でのブームの火付け役になったと言われている。石破氏がそれを意識したとしても当然だ。
自民党定例会見のドアを閉じたのは誰か
だがネット世論は安倍首相の人気が圧倒に高く、石破氏に味方することはないだろう。たとえば7月20日にドワンゴが公表した「月例ネット世論調査」では内閣支持率は55.3%と大手新聞やテレビ局の世論調査の数値を上回り、「次の総理にふさわしい人物」に至っては「安倍晋三」が49.2%と断トツで、石破氏は8.6%の小泉進次郎筆頭副幹事長にも及ばず、6.3%にとどまっている。
そもそも「石破氏はフリーランスにも会見を開放した」と喜ぶのは早計だ。2012年9月の総裁選でもフリーランスは不十分(質問の機会が大きく制約されていた)ながら参加できたし、現在でも党大会などは開放されている。これは大手メディアもフリーランスもほぼ平等な扱いだ。
問題は自民党本部4階で行われる定例会見だ。自民党は野党時代には総裁会見などはフリーランス等にも不十分ながら開放していた。ところが政権に復帰したとたん、有無を言わせずそのドアをすべて閉じてしまった。この時、党務を仕切っていたのは幹事長だった石破氏であることを忘れてはならない。
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