5年後「高学歴大量失業時代」がやってくる? AIの進化はそら恐ろしい速度で進んでいる

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これからの仕事は「ホワイトカラー」と「ブルーカラー」という分類ではなく、「クリエーター」と「サーバー」という分類になるといわれています。クリエーターというのは何も芸術家とかではなくて、「プログラムコードを書く人」という意味で使われています。その一方で、サーバーというのはサーバント(=召使い)であって、「規則に基づいて、決められた仕事をこなす人」のことを指しています。

中原:今の日本の大学の入試制度や企業の採用方法では、そのような状況に対応するのが難しくなりますね。大学も企業も大きく変わっていかねばなりません。

未来の社会では、AIと闘ってはいけない

伊東:今の日本の大学進学率は5割台で、これはアメリカの3割と比べて非常に高い数字です。大学を卒業すれば、会社・良い仕事に就けて、高い収入も期待できる。そういう考え方から、みんな大学に行くのです。

ところが、この前提が大きく変わろうとしています。つまり、AIが普及することによって、最もダメージを受けるのは高学歴者たちになるのは明白で、これは大きなパラダイムシフトが起きることを意味しているのです。

そのような大きな変化が本格的に起こるまでに5年程度の時間があるとするならば、企業は社員の意識改革に急いで取り組む必要があります。個人の側からいえば、良い会社にいるから安心、という社会が変わろうとしているのです。個人は、継続的に自己研鑽し、スキルアップして「個」で闘っていく力を持っていかないと、結局は企業からも捨てられてしまう、そういう意識改革をしていかなければなりません。

アメリカではかつて、コンサルタントといえば花形職業で、これまでは、パワーポイントを使ってスマートなプレゼンができれば良かったのですが、今では「プログラムコードを書けなければ使いものにならない」とまでいわれています。

つまり、単にコンセプトを提示するだけではダメで、それをハードウエアやソフトウエアに落とし込むことができなくては商売にならないということです。日本でも最近、プログラミングを大学入試に入れるといっているのは、そういった背景があるからです。

中原:そう遠くない将来に到来するAI社会に対して、若い人たちに向けて何かアドバイスをいただければありがたいです。

伊東:私は若い人たちに「AIと闘うな」といっています。AIと闘って勝てることはないですから。将棋の藤井聡太7段のように、「AIを利用しなさい」とアドバイスしたいですね。

中原 圭介 経営コンサルタント、経済アナリスト

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なかはら けいすけ / Keisuke Nakahara

経営・金融のコンサルティング会社「アセットベストパートナーズ株式会社」の経営アドバイザー・経済アナリストとして活動。「総合科学研究機構」の特任研究員も兼ねる。企業・金融機関への助言・提案を行う傍ら、執筆・セミナーなどで経営教育・経済教育の普及に努めている。経済や経営だけでなく、歴史や哲学、自然科学など、幅広い視点から経済や消費の動向を分析しており、その予測の正確さには定評がある。「もっとも予測が当たる経済アナリスト」として評価が高く、ファンも多い。
主な著書に『AI×人口減少』『これから日本で起こること』(ともに東洋経済新報社)、『日本の国難』『お金の神様』(ともに講談社)、『ビジネスで使える経済予測入門』『シェール革命後の世界勢力図』(ともにダイヤモンド社)などがある。東洋経済オンラインで『中原圭介の未来予想図』、マネー現代で『経済ニュースの正しい読み方』、ヤフーで『経済の視点から日本の将来を考える』を好評連載中。公式サイトはこちら

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