食品のカロリーばかりを気にする人が陥る罠 数字にとらわれると不健康な要素を見落とす

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問題なのは、多くのビジネスパーソンがこのような行動を「無意識」でとってしまっていることです。自身の生活を一度客観的に見てみるだけでも、食事に対する慎重さは変わってくるでしょう。

さらにアドバイスをするなら、不足しがちな「タンパク質の量」を見て食品を選ぶこと、冷凍や加工されていない生の野菜や新鮮な魚・肉を積極的に取り入れることをおすすめします。加工食品はとても便利なものですが、手軽でおいしいからには砂糖や食塩などの調味料や、着色料や保存料といった添加物が使われており、これらを無意識のうちに摂取してしまうことにつながるからです。

「健康情報」に覆い隠された不都合な真実

最近はコンビニのパンや惣菜、お菓子などにも「糖質○○グラム」と表示され、健康を意識させる商品が目立つようになってきました。これで糖質を減らすことができるから安心!と思った人は要注意です。

強調されて目立つ「健康アピールポイント」がある場合、裏側に潜む「不健康情報」がマスキングされてしまうケースがあるのです。

たとえば糖質を減らした食品は、減らした分の味を補ったり、味や食感を良くさせたりするために、普通よりも多く脂質や添加物が使われている場合があります。また、糖質も脂質も少なかったとしても、タンパク質やビタミン、ミネラルが足りなければほかの食材からとる必要があるでしょう。

いかにも「健康に良さそう」に見える商品ですが、それだけを食べていても「健康」になれるわけではないのです。

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ほかにも、パッケージに「食物繊維○○グラム配合」「カルシウムたっぷり」などと表示され、いかにも体に良さそうなシリアルやグラノーラなどは、確かに朝食として手軽に食べられる、不足しがちな栄養素がとれるといったメリットもあります。

ただ、別の視点に立ってみると「体に良い」だけではない一面も見えてきます。

問題点の1つは、こうしたシリアルやグラノーラは、製品によって砂糖が大量に使われているものがあることです。また、食塩も多く使われています。砂糖や塩でしっかりと味付けされているからこそ、牛乳やヨーグルトをかけても味がしっかりしているのです。カロリーや脂質も決して低い食品ではありません。

良い情報にばかり注目していると、ものの本質を見誤る可能性が高くなります。自分の健康を守るためには、メディアの情報や企業のマーケティング戦略に安易に踊らされず、自分の体に合うものを選別して購入する、冷静な目と判断力を養っていかなければなりません。

阿部George雅行 ボディチューン・パートナーズ社長

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あべ・じょーじ・まさゆき / Masayuki George Abe

明治大学卒業、早稲田大学大学院博士課程単位取得。筑波大学大学院退学。グロービスMBA。富士銀行、みずほ銀行、グロービスなどのベンチャーを経て現職。「心技体」のバランスのとれた人材育成・組織開発のソリューション支援を行う。「生産性向上」「働き方改革」「健康経営」のテーマに沿って健康とビジネスパフォーマンスの研究にも携わる。NPO法人アスリートヘルスマネージメント理事。早稲田大学スポーツビジネス研究所(RISB)招聘研究員。

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