恐怖!田舎暮らしは「地獄の沙汰もカネ次第」 場所によってはこんなにヤバい「お金の話」

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高気密・高断熱で最新設備のブランドホームを建ててもらい、車も買ってもらい、育児費用の面倒もみてくれる─―。そんな地元出身者、Uターン夫婦の生活ぶりをみて、移住者が自分の生活像を重ねてはいけないのだ。

聞いてしまった、地方移住歓迎の本音

さらに、である。追い打ちをかけるのは税金の高さや健康保険料、介護保険料だ。人口の少ない過疎地ほど税収が乏しく、いきおい一人頭の税金は高くなる。健康保険料に介護保険料も当然、人口が少ないので納税余力のある者への負担は割高だ。結果、多少でも収入があり納税余力の水準が高い者には、都会とは比べものにならない負担がのしかかってくる。

高藤さんはこうも言う。

「移住者を受入れるのには、金を落とさせたいというその一心でやむなく、というのが本音ですから」

当の集落出身の議員にそこを訊ねると、あっさりとこう認めるのだった。

「最初、移住者を迎えるかどうするかって問題になったときも、すったもんだあったずら。でも、移住者を受け入れねえと、医療費の財政がもたねえってことになって、それならばって反対していた奴らもしぶしぶ了承したんだ」

自治体がこぞって旗を振る「移住者歓迎」は、決して人口増による地域活性化だけが目的ではないことに注意が必要だ。ようは財源欲しさ、税収欲しさの、詰まるところ金欲しさ、が本音なのだ。

「田舎暮らしはお金がかからないなんて幻想もいいところですよ。それに、こっちは必死の思いでお金を捻出して敬ってるつもりでも、向こうは移住者なんだから当たり前っていう感覚で感謝されることはまずないですから」

さすがに思い余った高藤さんは、周辺に1つだけの県警の「駐在所」に駆け込んだ。長野県内の駐在所を転々としてきてまもなく定年を迎えようかというベテランの駐在はこう教えるのだった。

「あんたも出て行くか。あんたなんかは長いほうだったよ。もうね、入れ替わり立ち替わり、だからね。定住なんかとはほど遠いよ」

駐在はつねに、狭い集落の人間の出入りと、転入、転出を目配りしている。移住者が転入してくる場所は限られている。そうした番地の住民の流れをみていると、早ければ数カ月、長くても1年未満で外に出て行ってしまうという。

「あまりに入れ替わり立ち替わりで、こっちがあいさつに行こうと思ってるともう出てっちゃってるんだから」と駐在は笑う。

役場は、田舎暮らしは都会よりも金がかかることなど、まず教えてくれない。

「金を落としてもらうべき、飛んで火に入る夏の虫に、わざわざ不都合な話を教えてはくれませんからね」

そう言って高藤さんは笑う。山間部の集落を出て佐久で暮らすようになり、周囲の目や耳を気にすることなく、高らかに笑う高藤さんの表情には、ようやく「のびのびとした解放感とともに日々を過ごす」理想の田舎暮らしにたどり着けた充実感が満ちているように見えた。

前回記事 「恐怖の実話!悪夢と化した『夢の田舎暮らし』」も御覧ください
清泉 亮 移住アドバイザー

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せいせん とおる / Toru Seisen

地方移住歴20年超のベテラン・イジュラー。1974年生まれ。幼少期から20代前半まで米国で過ごす。1990年代半ばから週末移住をはじめ、過去20年以上にわたり東北から沖縄まで日本各地を転住しながら暮らす。現在は本州中部を拠点に、村落で古老からの聞き取りをしながら、移住者への適応アドバイスや、移住地での生活トラブルの相談に乗っている。

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