若い女の子がチヤホヤされる「日本的な事情」 坂東眞理子「私がいま考える、女性の美学」

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第2は、セクハラが怖い。これも慣れていないからでもありますが、どこまでは許されてどこからはアウトか、わからない。セクハラについての認識があいまいで相手次第で冗談のつもりでもセクハラと批判される。さわらぬ神にたたりなしとばかり、職場の中堅女性には、気楽な会話ができないで身構えてしまう。その点、若い女性はそこまで批判はしないと甘く考えているのです。

第3は、男性が自分の能力に自信がないことです。若くて未熟な女性には優位に立てるけれど、実力派の女性とはどう対応してよいかわからない。自分のできないことができる女性というのは煙たい。

これはまったく20世紀的価値観なのですが、男性は女性より優位に立って教えたり指導するべきだと思い込んでいる男性も多く、「できる女性」「えらい女性」は敬遠してしまう。女性から正論を言われると、「やりこめられた」「批判された」と過剰反応してしまう。

腹立たしいことではあり、男性のほうに問題があるのは明らかですが、これは過渡期の現象です。残念ながら過去の日本の職場では女性は男性と対等に扱われず、一段下に見られてきました。男性が実力派の女性と協力したり、指示を受けた経験がないのです。

年齢や見た目以外で、女性が理解される時代に

きっともう少し経てば小学校から大学まで優れた女性に兜(かぶと)を脱いだ経験を持つ男性たちが増えてくるでしょう。女性にもいろんな人柄の違いがあり、能力には差があり、いろいろな適性を持っており、単純に年齢や見た目で割り切れないと理解している男性が増えてくることを期待できます。そうなれば一部の外資系の職場などがそうであるように、女性にも厳しい能力評価をし、ライバル視してくるでしょう。

若い女性に甘い男性たちに、むかっとするのではなく、「若い子の未熟さに救われている未熟な男性たちね」と心の底で思ってみるのはどうでしょう。

また、若くてちやほやされている女性も、若さが通用するのは3、4年。新しく後輩たちが入り、本人が仕事が少しわかってくるとちやほやはされなくなってきます。そこからどうするか、が女性のキャリアの正念場です。

坂東 眞理子 昭和女子大学総長

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ばんどう まりこ / Mariko Bando

1946年、富山県生まれ。東京大学卒業後、1969年に総理府(現内閣府)に入省。内閣広報室参事官、男女共同参画室長、埼玉県副知事、在オーストラリア連邦ブリスベン日本国総領事などを歴任。2001年、内閣府初代男女共同参画局長を務め、2003年に退官。2004年から昭和女子大学教授、2007年から同大学学長、2014年から理事長、2016年から総長を務める。著書に330万を超える大ベストセラーになった『女性の品格』ほか多数。

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