「収入が多い私立大学ランキング」トップ200 1位はダントツで日本大学

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事業活動収入は、学生生徒等納付金や寄付金、補助金といった教育活動収入と、運用益や利息収入などの教育活動外収入、そしてその年の特殊要因によって計上される特別収入で構成される。ほとんどの大学は教育活動収入が大半を占める。

参考までに、前期比の増減率と、経常収支差額についても記載した。「経常収支差額」は、教育活動収支差額(教育活動収入−教育活動支出)と、教育活動外収支差額(教育活動外収入−教育活動外支出)の合計値となる。資産売却などの特殊要因を除いた大学の損益状況がわかる数字で、経常収支差額が何年もマイナス(赤字)の場合は、厳しい経営状況が続いているという判断ができる。

ランキングの上位を見ていきたい。

不動の1位は、不祥事問題で揺れる日本大学だ。約7万人の学生を擁する同大学は、2016年度の事業活動収入の額が1946.7億円で、その内訳は教育活動収入が1910.5億円、教育活動外収入が16.0億円、特別収入が20.0億円となっている。教育活動収入では、学生生徒等納付金が1069.8億円にも達し、付属病院の収入である医療収入が499.5億円、経常費等補助金が138.9億円となっている。

2017年度もすでに決算が発表されているが、事業活動収入は前年比微減の1938.7億円、経常収支は82.2億円にまで拡大させた。2018年度は事業活動収入1962.0億円、経常収支81.4億円を予算として組んでいる。2016年に危機管理学部とスポーツ科学部を設置した効果もあり、増収基調となっており、経常利益もここ3~4年で倍以上に伸ばしている。

田中理事長は2008年から理事長に就任しているが、その間、財務面だけ見れば、”堅実経営”を続けていたといえる。

ベスト10中、9大学が医学部・付属病院を併設

2位は順天堂で、事業活動収入は1580.6億円だ。順天堂大学を運営する学校法人だが、医療収入が1352.7億円と、順天堂医院など6つある付属病院群が収入の大半を占める。

3位は慶應義塾で、事業活動収入は1569.3億円。収入は多い科目順に、医療収入563.5億円、学生生徒等納付金535.0億円、付属事業収入139.5億円、経常費等補助金137.9億円となっている。

4位は東海大学で、事業活動収入は1424.1億円、5位は近畿大学で、1356.4億円に達する。それぞれ学生数3万人前後のマンモス校だ。

以下、6位昭和大学、7位埼玉医科大学、8位は獨協大学や獨協医科大学を運営する獨協学園、9位慈恵大学と続く。上位9大学はいずれも医学部と付属病院を持っており、いずれも医療収入のウエートが高いのが特徴だ。不正入試発覚で渦中の東京医科大学も、870.2億円で15位にランクインしている。

上位のほとんどが医学部を持つ大学となっているが、医学部を持たない大学の中では、早稲田大学がかろうじてトップ10の一角を占めた。事業活動収入は1012.8億円で、学生生徒納付金が661.8億円とほぼ3分の2を占めている。

前期比で大きく数字を伸ばした大学では、20位にランクインした大阪医科薬科大学(事業活動収入740.7億円)が目にとまる。これは2016年4月に大阪医科大学と大阪薬科大学が経営統合した影響で収入が膨らんだ。

31位にランクインした上智学院(事業活動収入520.4億円)も同様の理由だ。上智学院は上智大学を運営する大学法人だが、2016年4月に神奈川県の栄光学園中高、兵庫県の六甲学院中高などのイエズス会系の4つの学校法人と合併した。その影響で200億円を超える寄付金(現物寄付)が計上され、収入を大きく押し上げる要因となっている。

94位の星美学園(星美学園短大を運営)も、2016年4月に目黒星美学園と経営統合したため、100億円超の現物寄付が計上され、大きく数字を伸ばす結果になっている。

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