政治家の「逃げるが勝ち」がまかり通る危うさ

説明責任を果たさない政治家が多すぎる

6月27日の朝日新聞は細野氏がJC証券から昨年10月19日(衆議院選投票日の3日前)に5000万円を借り入れたものの、当選した議員が行わなければならない資産報告から漏れていた点を指摘。これについて細野氏は「選挙資金ではなく急に必要になるかもしれない政治資金」で「選挙後の借り入れと勘違いした」と書面で回答した。

しかしながらこのときすでに細野氏は小池百合子東京都知事に「リセット」された後で、党運営に巨費を準備する必要はない。また玉木執行部に協力した様子もなく、当時の希望の党代表だった玉木雄一郎氏(現国民民主党代表)は、「そんな資金があったのなら、私は借金する必要はなかった」と述べた。

もっとも細野氏に説明のチャンスがなかったわけではない。翌28日に開かれた小泉進次郎自民党筆頭副幹事長が率いる「『平成のうちに』衆議院改革実現会議」の会合に副会長として出席した細野氏の元には記者団が殺到した。記者らは隣室での記者会見を求めたが、細野氏は「役員会があるから」と言い訳し、10分程度のぶら下がりで終わらせている。「これでは本質のことが聞けない」と記者のひとりは漏らしていた。

自民党の古屋氏、野田氏、杉田氏も説明せず

古屋圭司衆議院議院運営委員会委員長のパーティー券二重帳簿疑惑は古屋氏に恨みを持った関係者の仕業であることがほぼ明らかであるが、こちらもきちんと説明を行わないままだ。

議員会館の事務所での金融庁のレクに仮想通貨発行業者を同席させた野田聖子総務相はきちんと会見を行い、事件の背景などに答えるべきだろう。

野田氏は9月に予定される自民党総裁選に出馬の意欲を示しており、8月5日に発表した「目指すのは世界標準の国」では「フェアな国づくり」で世界から信用を得ることを目指すと宣言。だが「フェア」とは特定の業者を優遇することなのか。推薦人集めに奔走する前に国民にきちんと説明すべきで、それも怠りながら世界の信用を得るなどとは何をかいわんやだ。

月刊誌『新潮45』に掲載された自民党の杉田水脈衆院議員の寄稿(写真:共同通信)

LGBTへの差別を煽りかねない論文によって話題になっている杉田水脈(みお)衆議院議員の問題は、どうだろうか。

筆者がよく知る杉田氏の素顔は極めて普通の女性で、時折超保守的な言動が見られるが、過激な思想を持つ危険な政治家というイメージはない。

しかし杉田氏が寄稿した『新潮45』8月号の「『LGBT』支援の度がすぎる」を読むと、いくつかの誤解を生じかねないと思った。そのうちのひとつがLGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー)を「生産的ではない」と断じ、そこに税金を投入することを疑問視している点だ。

確かに同性カップルには、現在では自分たちで子どもをつくることはできない。しかし子どもをつくることだけが「生産的」といえるのか。

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